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師匠の最期の戦い
《サイド:御神涼》
王城の各所で行われている復旧作業の見回りを終えてから謁見の間まで戻ってきた。
「うんうん。どうにか城の修繕も進んでいるようだね。」
思っていた以上にみんなが頑張ってくれているおかげで、
予定よりも早く復旧作業が終わりそうな雰囲気があるんだ。
これならもう僕が指示を出さなくても上手くいくと思うんだけど、
謁見の間に来るたびにどうしても辛い思い出が蘇ってしまう。
「師匠…。」
葉漸師匠の倒れた場所まで歩み寄って最期の時を思い出す。
僕や唯の幸せを願ってくれた師匠の優しさ。
不動さんの炎の直撃を受けてもなお戦い続けた師匠の勇姿を忘れることは出来ない。
結果的に力尽きて倒れたものの。
師匠の最期の戦いを忘れることなんて出来ないんだ。
(…せめて、僕の手で師匠の葬儀をしたいな。)
今の僕に出来る精一杯の恩返しと考えて、
葬儀の手配を行うために大聖堂に向かうことにした。




