原始の瞳
《サイド:御神涼》
(…ふぅ。)
四聖獣が倒れたことで結界が崩壊したんだろうね。
僕達は無事に意識を取り戻すことが出来た。
「どうやら入り口が開いたようですね。」
ああ、どうやらそのようだね。
さっきまで閉じていたはずの宝物庫の入り口が開いているんだ。
今は入口に近づいた唯が中を覗き込んでいる。
「特に罠はなさそうですけど…。」
どうかな。
記録によれば四聖獣との戦いが最後のはずだけど、目的を達成するまでは油断しないほうがいい。
…とは言え。
ここへ来るまでに予定よりも時間をかけてしまったからね。
残り時間があまりないのも事実だ。
「とにかく原始の瞳を探し出して、すぐにここから脱出しよう。」
どの程度かは分からないけれど、
移動だけでも相当な時間を費やしてしまったはずだ。
そのうえでここから城まで戻ることを考えれば猶予なんてほとんどないと思う。
「とにかく行ってみよう。」
4人で宝物庫の内部に入る。
そして室内を調査しようと思ったんだけど。
(…ん?あれ?)
予想外に目的の物はすぐに見つけることが出来た。
「これが原始の瞳なのかな?」
形状はただの水晶玉にしか見えない。
だけど思っていたよりも小さいから宝玉と呼んだほうが正しい気もする。
「綺麗な宝玉だね。」
虹色に光り輝く姿には神々しささえ感じてしまうんだ。
(…触れても大丈夫だろうか?)
少し心配になりながらも台座に飾られている秘宝に手を伸ばしてみた。
そして秘宝に触れてみると、微かに秘宝が光り輝いた気がしたんだ。
(…これは?)
手の中で鮮やかに輝く宝玉。
原始の瞳を手にしたことで何故か宝玉に話しかけられているようなそんな不思議な感じがする。
(そうか…。そういうことなのか。)
不思議と使い方が分かるような気がしたんだ。
どうしてかは分からないけどね。
だけど『原始の瞳』が何なのかが分かったような気がする。
「…お兄様?」
「ん?あ、ああ…。ごめんよ。ぼーっとしてた。」
秘宝を手にしている間に動きを止めていたことで唯が心配して話しかけてくれていた。
その様子に気づいて優しく微笑む。
「そう言えば、唯は秘宝のことを何か知ってるかい?」
「あ、いえ…。」
唯は首を横に振っている。
どうやら詳しい内容までは知らなかったようだ。
まあ、そうだろうね。
秘宝を手にした僕でさえはっきりとしたことは分からないからだ。
ただ何となく使い方が分かるだけで、
どんな力があるのかは分からないし、
どれほどの効力があるのかもわからない。
それでもこれが世界で最高峰に位置する幻の秘宝なのは間違いないと思う。
「秘宝の話は部屋に戻ってからにしよう。あまり時間がないからね。まずは脱出を優先しよう。」
「あ、はい。分かりました。」
無事に原始の瞳を手に入れことで唯も安心してくれたのかな。
ひとまず洞窟を脱出するという方針を素直に受け入れてくれたんだ。




