61/499
全滅
《サイド:不動幻夜》
急いで城内を駆け上がり、謁見の間へと突き進む。
そして謁見の間へと続く扉を見つけるとすぐに迷うことなく強引に突き破って内部に入り込むことにした。
(…ちっ!)
「ここもなのか!!」
周囲に転がる衛兵達に気付いて唇をかみ締めてしまう。
「くそっ!」
侵入者が父上かどうかはまだわからないものの。
城門からここまで戦いの形跡が残っていることを考慮すれば敵は正面から乗り込んできたようだ。
「命神宮が誇る一級陰陽師も、王族直属の近衛兵でさえも全く歯が立たなかったと言うのか…。」
その事実に戸惑うと同時に1つの不安を感じてしまう。
(…そういえば、恭子様が城内にいるはずだ。)
半刻前に恭子様が城内に入るのを見送ったからな。
まあ、正確には王城に向かう後ろ姿を見送っただけなのだが、状況的に考えて城内にいると判断するべきだろう。
「今もいるという確証はないが、戦場になっているこの城のどこかで侵入者に襲われている可能性はある。」
ひとまず敵は一直線に王室に向かっているようだが、もしものこともあるからな。
念のために恭子様も探したほうがいいだろう。
「とにかく進むしかないか。」
まずは謁見の間を抜けた先にある王室に向かって走ることにした。




