四神封縛陣
《サイド:御神涼》
数多くの戦いを乗り越えた僕達は、ついに宝物庫の前まで到達することが出来た。
「どうやらここが目的地のようだね。」
今、僕達がいるのは洞窟の最奥で、目の前には固く閉ざされた扉がある。
途中で幾つか分岐点はあったけれど、とにかっく真っすぐ進み続けたことでここにたどり着いたんだ。
「この扉の向こうに秘宝があるのでしょうか?」
おそらくね。
渚が緊張した面持ちで扉に手を触れているけれど、
もしも別の通路が正解だった場合は当然ここに秘宝はないはずだ。
だけどここが目的地だと思う根拠はちゃんとある。
「…開きませんね。」
「ああ、結界があるからね。」
苦笑しながら答えつつ、扉の中心に嵌っている水晶を指差した。
「伝承によればここに張られている結界は『四神封縛陣』のはずだ。」
「それって陰陽術による結界ですよね?」
「ああ、そうだよ。」
渚は唯と共に香澄様から教育を受けているおかげで結界に関する知識もあるようだ。
だけど陰陽師ではない師匠だけは何も知らないはずだから一応説明しておくことにした。
「四方の方角を守護する4匹の聖獣を倒さなければ結界を越えることは出来ない。一人につき一匹の聖獣を倒す必要があるから最低でも4人いなければいけないわけだけど。誰か一人敗北するだけで永遠に結界に閉じ込めらることになるからね。無事に結界を抜けるには4人全員が勝たなくてはいけないんだ。」
「ふむ。四聖獣か…。わしと涼であれば問題なかろうが、唯と渚は危険ではないか?」
…かもしれない。
僕も不安に思う気持ちはあるからね。
師匠の指摘は否定できなかった。
だけど唯も渚もそれぞれに自信がある様子だった。
「確かに危険ではありますが他に頼れる人がいませんので、みなさんの足を引っ張らないように頑張ります。」
「私も出来る限りのことはしてみます!」
ああ、頼むよ。
ここまで来たら信じるしかないんだ。
そもそも結界があることを分かっていたからこそ4人で来たんだからね。
今は唯と渚の覚悟を信じるしかない。
「行こう!」
「うむ。」
「「はい!」」
4人で揃って頷いてから、僕達は水晶に手を伸ばした。
その瞬間に薄い光が周囲に広がって僕達の体を包み込む。
そうして光が消えると同時に、僕達の意識は別の場所へと送り込まれたんだ。




