第2の仕掛け
《サイド:御神涼》
宝物庫へ向かう洞窟を進む中で、僕達は第2の仕掛けに道を阻まれようとしていた。
(…うわぁ。)
「傀儡兵だけでも大変なのに…。」
うんざりといった表情を浮かべる渚が目の前にある存在を見てため息を吐いている。
「話に聞いたことはありましたけど、実物を見たのは初めてです。」
だろうね。
僕も目にするのは初めてだから渚の気持ちは良く分かる。
(…まさかこんな所で遭遇するとはね。)
予想外だけど、
ある意味では当然の仕掛けかもしれない。
「ふむ。わしも初めて見たな。動く石造というものは…。」
そう。
師匠でさえ実物を見るのは初めてのようだけど、
僕達の道を阻んでいるのは石造の門番なんだ。
「これがガーゴイルか…。」
ええ、そうです。
石造の形はそれぞれ違うけれど、
騎士を模した石造もあれば悪魔を模した石造もある。
それらが一斉に動き出して、
僕達の前方を塞いでしまったんだ。
「これは厄介だな…。」
ええ、そうですね。
相手は石造だ。
剣術の勝負では無敗を誇る師匠といえども、石造が動き出すのを見て驚くのは仕方がない。
「石造の門番ですので物理攻撃で倒すのは難しいと思います。」
唯も知識だけは持っているようだ。
「ふむ…。さすがに石造が相手では下手に切りかかれば太刀が折れてしまうであろうな。」
…確かに。
僕もそうだけど、師匠の刀も石を斬るようには作られていないんだ。
一体や二体ならどうにかなるかもしれないけれど、
全ての石造を破壊する前に刀が壊れてしまうだろうね。
「それでは、ここは私の出番でしょうか。」
(…唯か。)
今までずっと後方で待機していたからかな。
出番を感じた唯が一歩前に歩み出て陰陽術を使い始める。
「神の名の下に!悪を滅ぼす光を!」
唯が両手を前に突き出す。
その前方で幾重もの光の束が生まれてガーゴイルに向かって伸びていく。
陰陽術による範囲攻撃だ。
唯の生み出した光は、まるで全ての存在を飲み込むかのように接触したガーゴイルの体を消滅させていった。
「あっ。陰陽術が通じるのなら私もお手伝いします!」
渚も前に歩み出て陰陽術を発動させる。
「法の名の下に!等しく裁きの光を!」
朝倉様の指導を受けて育っているからね。
渚も陰陽術が使えるんだ。
だからこそ今回は戦力として参加してもらったんだけど。
強大な光の玉を生み出した渚の攻撃によってガーゴイルが次々と撃ち落とされていった。
(良い攻撃だね。)
『ボゴッ』と水の中に石を投げ入れたような奇妙な音が響き渡ると同時に、ガーゴイルの存在を消滅させていくんだ。
これなら敵を接近させずに倒すことが出来るはず。
「渚、あまり強い力を使うと意識を失うから気をつけてね。」
「はい。心得ております。」
唯と渚の二人がかりで近づくガーゴイルを迎撃していく。
その間に僕と師匠は近づいてくる傀儡兵を撃退しながらさらに奥へと進んでいくことにした。




