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THE HANGED MAN  作者: SEASONS
1日目
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課せられた運命

(…ふぅ。)



自室に戻ってすぐに小さくため息を吐いてしまった。



さすがに今日は疲れたのかもしれない。



一日中、六詠山を行動していたということもあるのだが、

杞憂様との会話に神経を使い過ぎてしまったからだ。



そしておそらくはそのせいだろう。


開けたままの扉の傍に恭子様が近づいていることに気が付かなかったのだ。



「随分とお疲れのようですね。」



(…えっ!?)



「お父様とどんな話をしたのかは知らないけど、あまり良い内容ではなかったようね。」


「あ、い、いえ…。」



この状況はどうするべきだろうか?



恭子様がどこまで知っているのかによって対応が変わってくる。



父の行動や杞憂様の知識。


それらをどこまで把握しているかによって対応を考えなければいけないのだが、

肝心の恭子様の考えが俺には分からない。



「そ、その…。杞憂様には外出の許可を頂きました。これからは自由に外出をしても良いと。」


「………。」



当たり障りのない部分を伝えてみたのだが、

何故か恭子様の機嫌が悪化したように感じられる。



「ど、どうかされましたか?」


「いいえ…。なんでもないわ。」



(………。)



それが何でもないと言う人間が見せる表情だろうか?


明らかに不機嫌で、不満があるようにしか見えないのだ。



「そ、その…。怒っていますか?」


「いいえ、別に…少し気に入らないことがあっただけよ。」



それを怒っているというのではないだろうか?


そもそも何がきっかけで気分を害したのかが分からない。



「そ、その…。」


「気にしなくていいわ。貴方には関係ないことだから。」


「そ、そうですか…。」



だとすれば余計に何を怒っているのかが分からないのだが、

下手に追及して余計に不機嫌になられても困るからな。


ひとまずは追求しないことにしよう。



「まあ、これからどこで何をしようとそれは貴方の自由よ。だけど、貴方がここを出ることで悲しむ人間がいるということだけは覚えておきなさい。」



(…え?)



どういう意味だろか?


今日は遠回しな表現が多すぎて理解が追い付かない。



「悲しむ人間…と言うのは?」


「…いずれ分かるわ。ただ、その時に…決して悔いのないように。自分にとって何が大切なのかをしっかりと考えるのよ。『貴方達』に課せられた運命はすでに動き出しているのだから…。」



私達に課せられた運命?



今まで以上に曖昧な表現でさっぱり意味が分からないのだが、

一方的に話を終えた恭子様はさっさと歩き去ってしまった。



(…恭子様は一体何を?)



そもそも何をしにここへ来たのだろうか?



何も分からない状況に戸惑ってしまうのだが、

ひとまず今は八雲が戻ってくるまで大人しく待機することにした。


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