退屈だから
《サイド:御神涼》
『コンコン』と再び扉を叩く音が聞こえてきた。
(…今度は誰かな?)
「どうぞ。」
「失礼いたします。」
声をかけてみると、再び渚が現れたんだ。
「食事は御済でしょうか?」
「ああ、美味しかったよ。ありがとう」
「今度は渚も一緒にどう?」
「ありがとうございます。」
渚の問いかけに笑顔で答えると、
渚も笑顔で対応しながら食器を手早く片付けてくれた。
「食後はいかがいたしましょうか?」
「そうだね。手の空いている者を集めてくれないか?ずっと部屋の中に閉じ込められているのは退屈だからね。出来ることならみんなと話がしたいんだ。」
「かしこまりました。」
「あっ。そうだわ、渚。アップルパイを作ってくれないかしら? 渚の作るアップルパイはすごく美味しいから、みんなで一緒に食べましょう。」
「はい。唯様に気に入ってもらえるように愛情を込めて作らせていただきます。」
褒められたことが嬉しかったのか、
渚は嬉しそうな表情を見せながら部屋を出て行く。
「渚のアップルパイが食べられなんて楽しみです。」
(…ははっ。)
本当に幸せそうな表情を浮かべる唯を見て思わず笑ってしまった。
「あ、お兄様…。今、笑いましたよね?」
(…あー、いや。)
「笑ってないよ?」
「む~。」
頬を膨らませて怒る唯だけどそっと頭を撫でてなだめておく。
「アップルパイが焼けるまで、のんびり待とうか。」
「は、はい…っ。」
少し恥ずかしかったのか、唯は顔を赤くしながら頷いてくれた。




