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THE HANGED MAN  作者: SEASONS
第1部 〈Brilliant Loves〉
34/499

全く別の方向

王都の中心に位置する強大な王城。


その謁見の間において、僕は父上と向かいあっている。



謁見の間には現在、国王である父上と王妃である母上、そして第1王子の兄上しかいない。



今日は父上に話したいことがあってここへ来たんだけど、相変わらず母上と兄上の視線は冷たかった。



(…はぁ。)



この関係はいつまで続くんだろうか?



普通に考えれば第1王子である兄上が国王の座を受け継ぐことになる。


だから僕を敵視してくれなくていいんだけど。


周囲の評判は僕のほうが上という噂があるせいか、時期国王の座が危ういと思っているようだ。



(…別に僕からそうしようと思ってやってるわけじゃないんだけどね。)



周りに良く思われようと思って行動してるわけじゃないんだ。


そうじゃなくて7年前の悔しさが今でも忘れられなくて、必死に努力をしてきた結果として僕の努力が認めてもらえるようになってきただけだと思う。



(…昔はほとんどの人から敬遠されていたからね。)



母上や兄上の反感を買わないために僕を避ける人が多かったんだ。


それでもめげずに努力してきたのが良かったのか悪かったのか、色々と判断に困るところだけど。


今では多くの人達と普通に交流できるようになっている。



(…まあ、ひとえに師匠達のおかげだけどね。)



代々王族に仕える剣術の師範から免許皆伝を受けるほど成長した僕に対して、兄上は段を取ることさえ苦戦していた。


そして国内で広く伝わる陰陽術の実力も陰陽寮に通うようになってからは兄上に敗北したことは一度もない。



だけどそれは兄上が弱いということではなくて、僕自身が必死に努力をしてきた結果なんだ。


実際、兄上の実力は剣術はともかくとして、陰陽師としてはすでに一流と呼ばれるほどに成長しているらしい。



初めて出会った頃の幻夜さんや八雲に匹敵する実力まで成長しているんだ。


だから兄上は兄上で自信をもっていると思う。



それに、そもそも第2王子である僕は国王を受け継ぐことは本来ならありえないからね。


必要以上に王族のしがらみに囚われることがないし、兄上と違って比較的自由に行動できることもあって出来る限り城の外で行動をとるように心がけている。



そうして兄上とは違う行動をとっていたことで、僕に対しての国民の評判は比較的高いようだ。


対する兄上は時期国王の座を得るために政治を学ぶ必要があって、城の中での勉学にいそしむことがほとんどだからね。



国民にとって兄上はほとんど接する機会がない貴族の一人でしかないんじゃないかな。



そんな違いがあるせいで、僕達の仲は当然と言ってもいいほど良くなかった。



僕はあまり気にしないように心掛けているんだけど。


兄上は僕を国王の座を争う敵と認識しているのか、常日頃から僕を憎んでいる部分があった。



(…だけどこれは仕方がないよね。)



武術と勉学で僕達は全く別の方向を歩んでいるんだ。


武術に力を入れる僕とは違って、兄上は政治のために知識の収集に力を入れている。



実際、国一番といえるほどの軍師であり、策士でもあると思う。


そういう意味で言えば僕達はそれぞれの舞台で最高の地位を得ていると思う。


それでも兄上は国王の座を手に入れるという野心を持っているせいか、僕よりも厳しい性格の持ち主なのは間違いない。



隙があれば僕を追い落として国王となることを考えているようだからね。


そのせいで僕と八雲の辛い戦いの日々が訪れることになるなんて、この時の僕はまだ予想すらしていなかったんだ。


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