表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE HANGED MAN  作者: SEASONS
5日目
106/499

秘宝隠匿

《サイド:御神涼》

翌朝。



一通りの準備を整えた僕は香澄様に会うために大聖堂に向かうことにした。



(今は他に頼れる人がいないからね。)



出来ることなら香澄様にも迷惑をかけたくはないんだけど。


他に頼れる人がいないんだ。



(唯や渚では駄目だ。)



少なくとも王城の内部では保管できない。


今はまだ兄上は気づいていないはずだけど。


それでもこのままずっと気付かれないわけじゃないんだ。



だから兄上の手の届かないところに隠す必要があった。



(本心を言えばこのまま王都を出てしまったほうが良いんだけどね。)



それだと引継ぎが上手くいないうえに、

杞憂さん達からの報告まで聞けなくなってしまう。


それでは今後の行動が決めにくくなるし、

場合によっては兄上の指示によって追手が派遣されてしまう可能性もあるんだ。



そうなると行動範囲に制限がかかってしまうし、

唯や香澄様まで兄上の追及を受けることになりかねない。



(さすがに全てを放り出して出ていくというわけにはいかないんだ。)



だからどうしても兄上とは話し合う必要がある。


僕が王都を出ていくことを。


そして不動さんと戦うつもりでいることを。


それらを話し合ったうえで王城を出ていくのが最善策だと考えていた。



だけどそのためにはどうしても事前に解決しなければいけない問題があるんだ。



(このまま秘宝を持ったままで兄上に会うことは出来ないからね。)



もしも兄上が秘宝に気付いて取り上げられるようなことになれば今後の不動さんとの戦いが不利になりかねない。


それどころか今度は秘宝を所持している兄上が命を狙われることになってしまう。



(もしも兄上が秘宝を手にしたとしたら?)



考えられる可能性は二つに一つ。



秘宝を手放すか。


あるいは増長して戦いに挑むか、だ。



…だけど。



不動さんから逃げ出した経験を持つ兄上が命を懸けてまで秘宝を守り抜くだろうか?



とてもそうは思えない。


すでに敵前逃亡という行為をしてしまっている兄上なら不動さんが襲い掛かってきた瞬間に秘宝を手放しかけないんだ。



場合によっては秘宝の力を過信して強引に戦いに挑む可能性もあるけれど。


どちらにしても不動さんが相手ということを考えると秘宝を守りきれるとは思えなかった。



(兄上には申し訳ないけどね。)



相手が不動さんである以上は勝ち目がないと考えるべきだ。


だから兄上の奪われる前に秘宝を隠す必要がある。



兄上に秘宝を取り上げられないために。


そして秘宝を失わないために。


一時的に秘宝を隠す必要があるんだ。



(だからと言って香澄様を巻き込むのも嫌だけど…。)



兄上の手が届かない場所となるとどうしても範囲が限られてくる。


それこそ王都の外にでも隠すしかないんだ。


だけど外部に知り合いなんていないし。


人目につかない場所にこっそりというのも難しい。



(王都の外は不動さんの監視があると思ったほうが良いだろうからね。)



さすがに王都の中を全て把握するのは難しいだろうけど、

王都の外なら何らかの手段で包囲網を形成していると判断しておいたほうが良いはずだ。



…だから今は。



考えられる唯一の候補として、王族の権力が及ばない大聖堂に隠すしかないと考えた。



(上手く隠し通せるかどうかは分からないけれど。)



香澄様なら兄上の追及を上手くかわしてくれるはず。


そして数日間程度ならしっかり秘宝を守ってくれると信じてる。



(残る問題は僕の自由が認めてもらえるかどうかだけど…。)



そこは兄上と話し合って認めてもらうしかない。


王子の地位を放棄することと引き換えに今後の自由を認めてもらうしか方法はないんだ。



最終的にどうなるかは兄上次第だけどね。


まずは秘宝を隠すために大聖堂に入ることにした。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ