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中立の立場
「色々と事情があるようだけど、貴女は彼等の仲間ではないのね?」
「ええ、一応ね。」
「一応?」
「協力はしてないわ。敵対もしてないけれど。まあ、そういうことよ。」
「………。」
曖昧な説明でごまかしているけれど。
どちらの陣営でもない中立の立場にいるということだろうか?
「だったら貴女の目的は何?」
「目的と言うほどのことはないわ。私はただの傍観者だから。」
傍観者?
何を観察しているのだろうか?
「私は母の遺志を継いで戦いの行く末を見守るだけ。それが私の役目なのよ。」
役目?
恭子さんのお母さんが何を託したのかは知らないけれど。
何らかの事情があって今回の騒動の結末を見届けるつもりなのだろうか?
「貴女はまだ何か隠しているわね?」
「ええ、だけどそれを説明するつもりはないわ。例え知ったところで…この戦いを止める方法なんてないんだから。」
「それでも知らないよりマシよ。」
「いいえ。知らないほうが良いこともあるわ。」
「………。」
頑なに説明を拒む恭子さんによって、
香澄様は追及を躊躇っている様子だった。
「それじゃあ、これで。」
これ以上、恭子さんを止めることは出来そうにない。
その結果として僕達は肝心の情報を得ることが出来ないまま、
恭子さんの後ろ姿を見送るしかなかったんだ。




