76/87
感染症
「あなたたち,万が一不審者じゃないとしたら何しにこの病院に来たの?」
怪訝な顔をした看護婦が尋ねる。
「1000万円を手に入れるためよ」
「え?」
「真依子様,誤解を与える発言は慎んでください! 看護婦さん,我々は人に会いにこの病院に来たんです」
「人に会いに来た?」
「そうです。ここで勤務している鴨下明日香さんに会いに来たんです」
「鴨下明日香」の名前を聞いた途端,看護婦の顔が急に青ざめた。
「か…か…かも…鴨下…あ…あ…」
「あれ? 看護婦さん,どうしたの? 体調悪いの?」
真依子が看護婦の顔を覗き込む。
「いいえ。平気よ。ただ,あなたたちが突然『例のあの人』の名前を出すから」
「ヴォ◯デモート的扱い!?」
「『例のあの人』なら,ここではなくて隣の病棟にいるわ。50年前,患者と職員が全員ある感染症に罹り,その結果,廃病棟となった病棟よ」
「ある感染症?」
「ええ。感染した者が皆ゾンビ化するという…」
「バイオ◯ザード!?」




