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結城君の予定
「三郷,悪い。俺,クリスマスの夜はどうしても外せない用事があるんだ」
「何? バイト? それも平気だよ。結城君が働いているコンビニがどこかは知ってるから,クリスマス当日までに焼け野原しておくから」
「だから,真顔で言うなって! 言っとくけど,俺はヤンデレ好きじゃないからな!」
「恋は病だよ♡ で,結城君,用事って何? どんなに高い壁が立ちはだかったって,私と結城君の2人だったらぶち壊していけるよ!」
それを言うなら「乗り越えていける」だろ,と結城君は心の中でツッコむ。
「実は俺,24日の夜は宇宙人との交渉日なんだ」
「宇宙人と交渉?」
「そうだ。俺はこの地球を代表し,宇宙人と交渉する役を務めているんだ」
結城君のあからさまな嘘を,真依子は目を見開きながら聞いていた。
「もし結城君が交渉をサボったらどうなるの?」
「地球が滅ぼされる」
「私とのデートのために地球が犠牲になるってこと?」
「ああ」
「ロマンチックね♡」
「…は?」