59/87
カンニング
「お嬢ちゃんがわしとコウノトリを呼んでくれないんじゃったら、残念じゃが交渉は決裂じゃな」
真依子は俯いた。
「…分かった。じゃあ、もう私とは会えなくてもいいということね」
「え? どういうことじゃ?」
「私、このままだと試験に落第しちゃう。そうしたらママに怒られて、神社で働くことを許してもらえなくなっちゃう」
「それはダメじゃ! お嬢ちゃん、ちょっと待っとれ!」
神様が美雨の机の方に向かって飛んで行くを見て、真依子はほくそ笑む。
神様ちょれ〜ww
しばらくして戻って来た神様は、真依子に耳打ちした。
「1問目の答えは、ザ ドキュメント イズ アンダー…」
「ちょっと待って! 英語分からない!」
「そう言われても、これは英語の試験じゃからのう」
「ドキュメントってどういうスペル?」
「ディー・オー・シー・ユー…」
「待って! ディーっていうアルファベットが書けない! どう書くの!?」
「カンニング以前の問題じゃな。すまん。わしには救えん」