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共同作業

 問題用紙をめくる音と答案用紙にカリカリと文字を書く音で教室は包まれていた。真依子は記名だけを済ませると、教室の一番後ろで腕組みをしている者に手招きをし、小声でその者の名を呼んだ。



「下ネタ神」


 神様はビクリと反応した。



「お嬢ちゃん、わしがいることに気付いとったんか?」


「当たり前でしょ。登校途中から尾けられてるのにも気付いてたからね」


 真依子が小声でまくし立てる。みんなから姿も見えないし声も聞こえない神様と違い、真依子が喋るときには神経を使う。



「お嬢ちゃんが浮気性だから悪いんじゃ。亭主を心配させよって」


「ストーカーを正当化しないで? …まあ、今日に関してはあんたが来てくれて良かったわ。あんたに頼みがあるの」


「頼み?」


「うん。このクラスで一番頭の良い美雨の答案用紙をこっそり見て、私に答えを教えて」


「それってカンニングじゃろ?」


「夫婦はじめての共同作業よ」


「こういうときだけ夫婦を持ち出すのはズルいぞ?」


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