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巫女フェチ断罪
「ゆ…結城君、結城君が巫女フェチだなんてう…嘘だよね?」
真依子の声が震える。真依子がもっとも見下している人種、それが巫女フェチである。
「違う。俺は巫女フェチなんかじゃない」
結城君が激しく首を横に振る。
「だよね。結城君は困っている人がいたら手を差し伸べる優しい人だもんね。巫女フェチなんかじゃないよね」
「真依子様、巫女フェチには優しい人はいない、みたいな偏見がありませんか?」
「黙れ巫女フェチ」
真依子は笠井を睨みつけた。
「真依子様は騙されています。結城さんは巫女フェチです。だって伏見稲荷の巫女様ブロマイドを持ってたじゃないですか!」
「違う。これは俺が買ったんじゃない。さっき道端で困っているおばあちゃんを助けたら、お礼でもらったんだ」
結城君は真顔で言った。真依子の瞳がキラキラと輝く。
「さすが結城君。優しい。素敵!」
「いやいや、おかしいでしょ! そんなこと現実で起こりえないでしょ!」
「黙れ巫女フェチ」




