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衝撃の巫女フェチ
「結城君、私のこと拒絶しないの?」
「美郷、何言ってるんだよ。拒絶なんてするわけないだろ」
結城君は、今まで真依子に見せたことのない柔和な表情を真依子に見せた。
「結城君、私のこと好き?」
結城君は真依子の爪先から頭の先までを舐めるようにして見た。
「…もちろん好きだよ」
「嬉しい!」
真依子は思い余って結城君のことを思いっきり抱きしめた。鼻腔いっぱいに結城君の匂いが広がる。すごくいい匂い。ハアハア…
ガサっ。
突然、足元で何か物音がした。
「ヤバっ」
結城君は慌てて真依子の腕を振りほどくと、しゃがんで何かを拾おうとした。しかし、それを先に拾ったのは笠井だった。
「ん? これって伏見稲荷大社で売ってる巫女さんブロマイドじゃ…」
笠井がアルバムの冊子をパラパラとめくるたび、白と赤のおなじみの格好をした女性が様々にポーズを変えていく。
「返せ!」
「これがポケットから落ちてくるということは…結城さん、あなた巫女フェチですね」