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乙女の恋愛事情

「結城君、わざわざ職場まで来てくれて嬉しい!」


 真依子は結城君の元へと駆け出した。走りにくい草履は途中で履き捨て、乙女は真っ白な足袋で石畳を蹴る。



「真依子様、待ってください!」


 笠井が真依子を追いかける。



「あなたは神に身を捧げる身なんですよ! 彼氏を作るなんて許されませんからね!」


「うるさい! 走り出した恋は誰にも止められないの!」

 

 笠井は草履を履いたままだったので足元がもたついていた。

 みるみるうちに笠井と真依子との間の距離は広がり、ついに真依子は結城君の前へと躍り出た。



「結城君ハアハア」


 誤解のないように断っておく。真依子は全力で走ったので息が切れていた。決して結城君に興奮してハアハアしているわけではない。



「…あれ? 結城君? 私から逃げないの?」


 結城君が無言で頷く。



「え? どうしよう。嬉しい。涙出てきた…」


「彼氏なんですよね? 逃げないのは当然ですよね?」


「笠井さんは黙ってて! 乙女の恋愛事情は複雑なの!」

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