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着替え中に

 修学旅行の3日間を挟み、久々の出社だった。「出社」と言っても、もちろん勤め先は会社ではなく神社である。

 真依子は、こちらも久々な巫女装束に袖を通すため、社務所で着替えをしていた。

 

 突然、ギーッと古い引き戸が軋む音がしたので、真依子は焦って顔を上げる。



「うわあっ! 笠井さん、入ってこないでよ!」


 真依子は上下ともに下着姿だった。脱ぎたての制服のシャツを掴むと、それで慌てて正面を覆う。



「いや、ちょっと社務所に忘れ物をしちゃって」


「何平然と受け答えしてるのよ!? レディーが着替え中なんだよ!?」


「真依子さん、僕のことは気にせず着替えを続けてください」


「は? 何言ってるの? この変態!」


「いやいや、そういう意味ではなくて、僕、真依子さんの下着姿には興味ありませんから」


「は?」


「巫女服を着てるならまだしも、そうでない真依子さんには、たとえ裸であったとしても、僕は少しも興奮しません」


「倒錯しすぎでしょ! サイテー!」

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