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神と仏
「私、よく分かってないんだけど、神と仏って違うの?」
「全然違うぞ! 松◯聖子と中◯明菜くらい違うぞ!」
「平成生まれ向けの例えを使ってくれない?」
「とにかく全然違うんじゃ! わしは毎日が仏滅だったらいいのにと思っとる!」
「そんなに毛嫌いしてるの? 昔コラボってなかった?」
「お嬢ちゃん、まさか『神仏習合』のことを『コラボ』と言っとるのか?」
「違うの? 『神フューチャーリング仏』って授業で教わったよ?」
「近頃の教師はテキトーじゃのう…。それよりお嬢ちゃん、わしと長々と話してていいのか? 周りの目は気にならんのか?」
「なんで? あんた、中身はおじいちゃんだけど見た目はイケメンだから、クラスメイトに話してるところ見られても恥ずかしくないよ」
「いや、わしは神じゃから普通の人にはわしの姿は見えんし、声も聞こえんぞ」
「マジ!?」
「第三者から見れば、今のお嬢ちゃんは鹿に話しかけているように見えとるぞ」
「最悪! はずっ!」




