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性癖と呪いの狭間で
「三郷、今、単なる性癖じゃん、と思ったよな?」
「はい」
「先生、申し訳ありません。僕もそう思いました」
「神主さんまで…」
「私、先生のこと見損ないました」
「三郷、待ってくれ! これは性癖じゃなくて呪いなんだ! この呪いにかかるまでは、普通に自分と同い年くらいの女性が好きだったんだ! なんなら年上の方が好きだった!」
「まあ、性癖ってそういうもんだよね。ある日突然目覚めるものだよね」
「違う! 高校教師になってしばらくは俺は普通だった。普通にJKが好きだった。JKに囲まれるこの仕事は最高だと思ってた。だが、ある日を境にJKにチヤホヤされても少しもドキドキしなくなった。代わりに中学校の登下校の光景を見ると胸の鼓動が止まらなくなった」
「私、先生のこと生理的に無理かも」
「違う! これは呪いなんだ! 信じてくれ! 三郷、金なら払うからこの呪いを解いてくれ!」
「神社でロリコンは治せません。精神科を紹介します」
「三郷おぉー」




