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祈祷

 真依子は、ネットリとした視線を浴びながら境内の落ち葉を掃いていた。視線の発生源はもちろん笠井である。



「真依子様、お美しいです。真依子様…」


「よく言うわよ。今までずっと私のことディスってたくせに」


「…あのお、すいません」


 声を掛けられて、真依子はようやく近くに初老の女性が立っていることに気が付いた。笠井の視線が強烈すぎて、女性からの視線がかき消されていたのだ。



「どうなさいましたか?」


 真依子は、笠井に向けていた苦い表情を、一瞬で営業スマイルに切り替えた。



「祈祷をしていただきたいんですけど」


「分かりました。…」


「…」


「…」


「…真依子様、それは黙祷です!」


「マジ!? じゃあこっちか! えい!」


「痛いっ!」


「それは手刀です! お客様に暴力を振るわないでください!」


「ごめんごめん」


 真依子は舌を出したのち、箒の柄を女性に突きつけた。



「ごらあ、クソババア、金出せや!」


「それは強盗です! お客様帰っちゃいますよ!?」

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