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引きこもり
「っていうか、下ネタ神はどこにいるの?」
「その呼び方はやめてください! あなたの旦那様なんですよ? それに結婚したので、あなたの名字も始茂根田ですから」
「え!? 最悪! そんな恥ずかしい名字だなんて、私、お嫁に行けない…」
「もうすでに行ってますから」
「っていうか、『始茂根田』が名字で『神』が名前なのかよ…神様の名前の構造ってそうなのかよ…」
頭を抱える真依子を、笠井は持っていた箒でこずいた。
「痛っ…」
「そういえば、神の所在を訊きましたよね。神は今、本殿に引きこもっています」
「なんで?」
「あなたを見ると、昨日抱きしめられたことを思い出して、興奮してまた気絶してしまうかもしれないから、だそうです」
「なんでそんなに女の子に抵抗がないの?」
「神はすでに400年以上生きてますが、処女信仰を貫くがあまり、自ら女性を穢すことができず、いまだ女性経験がゼロなのです」
「400年以上も童貞を拗らせてるんだね…重症だね」




