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処女信仰
「お嬢ちゃん、勘違いしないでくれ。コウノトリを呼ぶ儀式は、本当にコウノトリを呼ぶ儀式なんじゃ。純粋にコウノトリを呼ぶ儀式なんじゃ」
「私、そんな口車に乗るほど馬鹿な女じゃないからね!」
「本当なんじゃ。信じてくれ。子供はコウノトリが運んでくるんじゃ」
「いい年して寝惚けたこと言わないでよ」
目を細める真依子に、神様が反論する。
「大体、お嬢ちゃんは分かっとらん。わしは処女しか受け付けないんじゃ。お嬢ちゃんがわしとエッチとやらをしたら、お嬢ちゃんは処女じゃなくなるじゃろ。そうしたら、わしはお嬢ちゃんを手放さなければならなくなる」
「何そのストイックなまでの処女信仰!? 拗らせ過ぎでしょ!?」
「これが神様の悲しいサガなんじゃ。お嬢ちゃん、分かってくれ」
「意味分からない。何百もの作品に出演しながら『永遠の処女』のキャッチフレーズを持つ某AV女優みたいな扱いをすればいいじゃん」
「その扱いの方が意味分からんぞ?」




