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備前宰相の猫  作者: 山田忍
78/153

白拍子のその後

 猫丸が去った後、

「如月、良かったよ」

「……」

「如月、今日は何が欲しい?」

「……安物の緞子(どんす)、ほんの五十両」

「ご、五十両か……」

「買わねえのかよ」

「い、いや、買うとも、お主が来てから、儂の評判がいいからな」

「ふん」

「……き、如月、な、何か不満かい?」

「周り見たけど、いねえじゃん」

「あ、あんなの‼ ——い、いや、今日は来ていないのだろう」

「それに、何であの猫、追い出すんだよ」

「ああ、これから殿下様に会うのだから、如月は速やかに会わないと……」

「けっ」

「ご機嫌斜め‼」

「見てわかんねえのかよ、デブサ。ボクはてめーのせいで機嫌が悪いんだよ!」

「お、追い出したから?」

「それもだけどよお、一番不機嫌になるのは、てめーの外見だ。デブサ」

「そ、そんな‼ 外見ばかりは——」

 言い終わる前に、如月は歩き出した。

「ふん」

「あ、如月、どこに行くんだい?」

「さっさと、あのハゲネズミの用を済ませるんだろ」

「如月! 先に行くな‼」

「ああ?」

「如月、一人だと何するかわからないじゃないか。だから、儂も一緒に——」

 如月は立ち止まると、

「お小遣い」

「え?」

「お小遣い。五百両寄こせ」

「えええええ!」

「ねえのかよ」

「あ、あげるから~。一緒に行くよ~」

「けっ」

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