猫の独り言(その6)
バカ猫が帰らなかった後の夜中、
「さて、一服……」
ふう、バカ猫が帰ってきたら、皆大喜びだったな。
秀吉もお豪ちゃんも号泣していたし、泣くのをこらえていた奴もいたな。
バカ猫一匹でだ。
「ふうー」
その後、宴で飲めや騒げやの大騒ぎで、もう飲みまくりだったな。
「飲んだ飲んだ」
俺も飲んで上機嫌だ。
「バカ猫の姉や友達は可愛かったな。ブサイクブサイクと言っていたが、どこがブサイクだ。節穴か?」
バカ猫の姉はバカ猫の姉で恐ろしい歴史になりそうだったな。
見たいような見たくないような……。
あれはあれで、この時代に大きな影響を及ぼすだろう。
「それにしても……」
バカ猫、帰らなかったな。
「ボンボン達の為に生きるか」
せっかくのチャンス、無駄にしたな。
「だが、それでいい」
俺たちとしては、もっと残って好き勝手に生きてほしい。
「そうすれば、な」
それが楽しみだ。
「宇喜多秀家や他の人達の未来、か」
簡単に未来は教えないさ、教えたら面白くないじゃないか。
「バカ猫がここに残る。これから忙しく面白くなりそうだ」
煙草が無くなりそうだな。さて、もう一本。
「ふうー」
今日は機嫌がいい。
まだ酒が飲みたい気分だ。
「これで可愛い雌猫がいれば文句なし、だが」
……いないな。
雌猫ちゃんもいないし、この煙草が終わったら寝るか。