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備前宰相の猫  作者: 山田忍
147/153

大坂について

「ブサイク」

「なに? 翔」

「ブサイク、一緒に大坂の町をうろつかない?」

「えっ⁉」

 これって……。ううん! でも……。

「い、いいけど、どこに行くの?」

「饅頭屋とか大きな木とか……色々な場所」

「行くわ。ここで大人しくしているだけじゃ、いけないもの」

 こうして、翔と大坂の町をデートする事になったわ。

「ここが饅頭売りだ。金を出さなきゃタダ働きさせる店だ」

「翔、食い逃げでもしたの?」

「してねえよ‼ だまされただけだ!」

 翔は饅頭を二個買って、それを食べながら散歩をしたわ。

「この饅頭、おいしいわ」

「饅頭は美味いんだよ。饅頭は」

 二人で歩いていると、

「きゃっ!」

 派手な着物の男の人にぶつかっちゃって、

「ああん? んだ? このアマ?」

「ご、ごめんなさい!」

 ぶつかった事を謝ると、胸ぐらをつかんで、

「着物はともかく可愛いじゃん。俺たちと遊ばない?」

「た、助け——」

「やめろ! そいつに手を出すな!」

「ああ? こいつ、怪物だぞ。怪物のくせに女連れているのか?」

 か、怪物……。

 翔、そんな事を……。

「どうでもいいだろ! 放せ‼」

 翔は持っていた木刀で一発叩いて、

「ぎゃっ!」

 悪い人は倒れてしまったわ。

「気絶させただけだ。行こう」

 翔に連れられている間に、

「翔、こんな事出来るの?」

「ああ、強くならなきゃ、誰も守る事は出来ない。だから、強くなっただけだ」

「……怪物って言われてつらくないの?」

「平気だ。もう慣れた!」

「翔……」

 強くなったのね。

「さあ、行くぞ」

「ええ」

 私たちは大坂を楽しんだわ。

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