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備前宰相の猫  作者: 山田忍
143/153

屋敷について

 大坂城に行く前、

「ブサイク、留守番しているのか?」

「うん」

「オレは姉ちゃんたちの様子を見に大坂城に行く、ブサイクはどうする?」

「私はここにいるわ」

「そっか。じゃあ、何かあったら、大坂城にいるから」

「わかったわ」

 それから、数時間して、

「翔……」

 翔の事が気になっていると、侍女さんが来て、

「猫丸の友人に用があるお方が来ております」

「私?」

 用意してくれた牛車に乗って、その人のところに行くと、

「やあ」

「あっ……」

 来ていたのは、直衣(のうし)を着た身なりが良く、人のよさそうなおじさま。

「宇喜多殿は留守だって聞いたよ。——ああ、これ、口に合うかどうか、わからないけど」

 そのおじさまは、ガラス瓶に入った金平糖を私の前に差し出した。

「あ、ありがとうございます!」

「私は木下長秀と言うんだ」

「あ、坂本くるみと言います」

 木下……秀吉が藤吉郎で……弟がいたような……。

「へえ……名があるのか。名字どころか名前が無い娘もいるからね。猫丸の国では、皆、名字も名前もあるのが当然だと、聞いているよ。後、側室にはしないから」

「はあ……」

 ない人もいるのね。それと側室って何で?

「ところで、何か用があるのですか?」

「ああ、あるよ。ここでは話せないから、是非、私の屋敷に来てほしい」

「えっ⁉」

 そうして屋敷に行くと、

「わあ……」

 質素だけど洗練された屋敷の一室に通された。

 お茶が出されると、

「さて、そろそろ、本題に入ろうかな」

「何ですか? 本題って?」

「それは——」

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