猫の知人
見知った顔がいるな。
「どうすればいいんだ……」
バカ猫の顔を見れば、何かあるみたいだが、まずは、これを使って時間を止め、
「ん? ん?」
あいつ以外の時間を止めておいた。
バカ猫をつついたが、当然動かない。
「何だ、これは?」
「久しぶりだな。エドワード」
「ん? お前はエンリケ……」
「あの時以来だな。お前がカミカクシによって、滅亡した地球に迷い込んだ以来だな」
「ああ、そうだな」
「あの時は、俺達がいなければ、どうなっていた事やら」
「確かに、どうなっていた事やら……それで、何の用だ?」
「大した用ではない。こいつらを逃がしてほしい」
「タダでか。女達は逃がしたが、男は全員処刑していない」
「処刑してほしい奴もいるが、この金一枚で見逃してくれないか?」
隠し持っていた金一枚をエドワードに投げた。
「一枚か。まあ、少ないが、お前の頼みだ。いいだろう。他に逃がしてほしい連中は?」
「捕まえた奴、全てだ」
「それやると赤字だぞ。せめて一人はふ——」
「俺と勝負するか?」
「——しねえよ。俺とお前じゃ、俺の負けは目に見えている」
「ならば、返すか?」
「——ああ、全て返すぜ。金と食糧以外は」
「まずは、捕まえた女子供達は?」
エドワードは、とある島を指さし、
「ああ、あの島に捕まえているぜ。森の真ん中に洞窟がある、そこに女子供達はいる」
オレはあれを出して、
「そうか。——この時間を動かすと、これによれば、後、三十秒ぐらいでカミカクシが発動するぞ」
「それは、元の時代か?」
「さあな。元の時代か、どうかは運任せだが」
「ハハハハッ! 何処に行くか運任せか、面白い! 金も食糧もある! 行かせてもらうぞ!」
「ならば、お前達はフリゲート船に乗り込め」
「ああ、子分たちを連れてってくれよ。後、お宝と食糧も」
「ふん」
俺はサイコキネシスでエドワードの子分と巻きあげた金と食糧を、フリゲート船に乗せている間に、エドワードは自分で乗り込んだ。
「じゃあ、頼むぜ」
「ああ」
だが、エドワードは帰り際に、
「そういや、レオナルドは元気か。よろしく伝えてくれ」
「……動かすぞ」
止めていた時間を動かした。