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備前宰相の猫  作者: 山田忍
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猫と幽霊船

 幽霊船は外国の船に見え、中を見ると、シャツやズボンと言う服装で、顔を見ると、

「南蛮人みたいな顔やな」

 日本人ではなく、外国人の顔! って事は⁉

「なんで外国の船があるんだ⁉」

「そ、そうなのか⁉」

「でも、こんな船は見た事ないで」

 確かにガレオン船とは違い小型で帆が多い船だ。旗には右手にコップ? みたいな物を持ち、左手には槍? のような物を持った人が赤いハートを狙っている様に見える旗がある。この船はなんだ?

「おーい!」

「猫さん‼」「ね、猫丸‼」

 二人がオレの頭を押さえつけた。

 しばらく時間が経ったが、幽霊船は何もしてこない。

「何もしないな……」

「おーい!」

「猫さん‼」

 すると船の旗が赤い旗に変わり、船の中の方から、

「ウオオオオオオオオオオッ‼」

「えっ⁉」

 船に乗っていた外国人たちが、オレたちが乗っている船に降りて来た。

「姫様達、如月から離れたらあかんで‼」

「お、お豪、側にいるのだ」

「「わかりました!」」「「わかった!」」

 姫様たちは一か所に集まり、

「如月、頼みましたわ!」

「もっちろん!」

 外国人たちは船に乗り、オレたちに襲い掛かってくる。

 しかし気になる事が、

「八郎、幽霊って足無いよな?」

「何を言っているのだ? 幽霊には足があるぞ」

 震えながら八郎は答えている。

「そうなの⁉」

「それより、来たで!」

 外国人たちはサーベルみたいな剣や銃を持って、オレたちを斬りつけてくる。

「うおっ‼」

 避けて、木刀で頭を叩くと、

「ぎゃあ!」

 殴られた外国人は気絶してしまった。

「か、怪物だ‼ 相手にするな!」

 外国人たちは、オレから逃げて八郎や弥九郎さんの方に向かってくる。

「待て!」

 八郎は今、ビビッているのに! 手助けしないと!

「殺せ!」

「奪え!」

「させるかっ‼」

「あれ?」

 八郎……戦っている。なんで?

「八郎……怖くないのか?」

「幽霊が気を失ったからだ。あれは幽霊ではなく、人だ! 人ならば戦える‼」

「そういうものか?」

 幽霊でないと分かった八郎は懸命に戦っている。が、後ろから敵が斬ろうとしてくる。

「八郎!」

 八郎の背後の敵を蹴とばし、八郎の背に立つと、

「猫丸、すまない」

「気を付けろよ。八郎」

 もう一度、構え直して、

「行くぞ!」

「ああ!」

 敵が周りを囲み、オレたちに向かってくる。

「へへへ……」

「こいつは上玉だな」

 スク水のままで、武器を持っていない丸腰の如月が、敵に囲まれている。

「一番乗りだぜ!」

 その内の一人が下品な顔で、如月に襲い掛かってくるが、

「ふん」

「ぐあっ!」

 回し蹴りや突きなどで簡単に倒している。

「⁉」

「な、何だ⁉」

 それを見て周りが怯んでいると、

「ふふっ」

 嬉しそうに、怯えている敵をなぎ倒していき、

「ぎゃあ!」

「ぎえっ!」

 取り囲んでいた敵を全て格闘術だけで倒してしまった。

「次は?」

「……!」

 如月は問題ないので弥九郎さんを見ると、

「おおっ!」

「ひえっ!」

 一人だけでなく、大勢の敵が吹き飛ばされていった。

 武器を見たらレイピアではなく、槍で戦っている。

「何や、体格がええんで手ごわいかと思ったら、弱いんやな」

「ん?」

 少し視線を逸らすと、

「あっ⁉」

 長い銃で弥九郎さんを狙っているスナイパーがいる‼

「弥九——」

「ぐああ」

 オレが言うより速く、スナイパーは如月が蹴とばした。

「死ねよ」

 如月もいるし、ここは問題ないが、敵の数にきりがない。

「それにしても、猫丸。この剣、見た事がない形だな」

「ああ、そうだな」

 如月が舞うがごとく、敵を倒していると、近づいてきて、

「あれ? あれはカットラスよ。主に船乗りが使う剣なの。斬られると首程度なら切り裂かれるわよ」

「マジかよ……」

「そう」

「さらっと言うなよ!」

「ならば、気を付けた方がいいな」

「ええ」

「八郎、集中しろよ」

「わかっている」

「まだまだ敵はいるわ」

「確かに」

「ここにいる敵を倒す事が優先だ」

「ああ、そうだ!」

「まだまだ行くぞ!」

「はいはい」

 オレたちは敵に向かっていった。

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