表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/37

-20- 爽太のえっち!


 爽太はゆっくりとまぶたを開いた。


「……ゆ、夢?」


 長い夢を見ていたようだった。謎の女性……魔女の生い立ち(過去)を。

 夢の内容が真実なのかどうか考えようとしたが、如何せん寝起き。頭がハッキリとしない。それに肌寒かった。


 布団がはだけており、朝の冷たい空気をダイレクトに受けていたのだ。寒い訳だ。渋々とかけ直そうとした時、


――フニっ♪


 と手に柔らかい感触が伝わった。


 何気なしに横を向くと、眼前にグラマラスな谷間ふくらみが広がっていたのであった。


「いッ!」


 魔女が自分の隣……同じ布団の中にいるではないか。

 胸元が少々露出しているピンクのネグリジェを身にまとい、透き通る柔肌がチラつく。


 目覚め一番で刺激的な光景に爽太は、眠気も先ほど見た“夢の内容”も一気に吹っ飛んでしまった。


「んっ…むにゃむにゃ……あっ、おはよ~」


 魔女が目覚めると、眠気混じりの気怠く挨拶をした。

 頬を赤らめて硬直している爽太に気付くと、魔女は悪戯な笑みを浮かべて、


「爽太のえっち!」


 と優しく甘く呟いた。


「いやいやいやいいやいやいや!? そもそもなんで俺の布団に!? どうして!?」


 絶世の美人があられもない姿で、一緒の布団で寝ているのだ。健全の男子だったならば興奮しないと失礼だ。


 爽太の動揺を無視するように魔女は「はふ~」と欠伸をする。


「もー、朝から大きな声を出さないの。それに些細なことで驚かないの」


「些細ではないです。なんでここで寝ているんですか? 魔女さんの為に客室を用意してあげたでしょうに」


「私だってひと肌恋しい時があるのよ」


「じょ、冗談でもそんなことは言わないでくださいよ!」


「ふふ。それで、どうだった?」


「何がですか?」


「私のおっぱいをじっくり見たでしょう?」


「じっくり見てませんから。ちょっとだけですよ!」


「はいはい。からかいは、ここまでとして。見たでしょう、私の過去を。特別に見せてあげたんだから」


「……あれは……あの夢の内容は、本当のことなんですか?」


 魔女の色気の衝撃で詳細は喪失していたが、“魔女の正体と目的”についてはハッキリと覚えていた。


 どこからどう見ても人間。十代の見た目。とても何百年も生きているとは信じられない。それや魔女という点で既に普通では無いとは思うが、人間ではない存在。


「そうよ。私の正体……過去を知っているのは少数なんだからね」


「それなのに、なんで教えて……くれた、というより見せてくれたんですか? 機械仕掛けの魔女マギ・エクス・マキナさん」


「別に、そんな長たらしい名前で呼ばなくても良いわよ。今まで通り魔女さんでも良いわよ」


「でも、名前を付けて貰って嬉しかったんでしょう。だったら、名前で呼んで方が良いでしょう?」


「名前と言ってもあだ名だしね……。まあ、フルネームじゃなくて、マギナって呼んでくれても良いわよ」


「マギナ?」


「マギ・エクス・マキナを略してマギナって、呼ばれていたりするのよ。昔馴染みや知り合いとかにはね。ラテン語でマギは魔法使い、マキナは機械という意味があるのよ。私の存在にピッタリの名前で、洒落ているとかなんとか。だって」


「それじゃ……マギナ」


 爽太に自分の名前を言われて、マギナはちょっとだけ心がこそばゆく感じた。普通の人間にその名を呼ばれるのは久しぶりだというのもあるが。


「なーに、かな?」


「さっきの話しの続きだけど、なんで教えてくれたの?」


「ああ。しばらく、ご厄介になるつもりだから、得体も知れない人と一緒に暮らすのは気味が悪いでしょう。その代償みたいなものかな」


「代償……うん? しばらくって、どういう……」


 マギナは爽太の話しているにも関わらず起き上がり、顔を洗いにそそくさと部屋から出て行ってしまった。


「あ、マギナ……」


 魔女マギナとの同居生活が始まることに、冬の寒さとは別の寒さが身体に奔ったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ