6031年
■暦
新星歴6031年1月1日:聖帝歴6031年4月6日:アブラムソン歴2991年3月28日
※聖帝歴は、新星歴から、実際の冬至の翌日を元旦として季節のずれを修正したもの。
※アブラムソン歴は、大陸南東部で広く使われている暦。
※この他、地域毎、国家毎に定める暦が存在する。
これ以下の日付は、新星歴を使用する。
■1月1日時点の“王都”支配国
(大陸の大まかな位置):支配国名(連合名):(周辺含む都市の呼称)「(“王都”のみの正語名)」の順。
・大陸北西: 玖賀城国: 洋浜領「府田市」
・大陸北中央: 光主国(星祈同盟): 聖蕉宮「愛本市」
・大陸北東: 光主国(星祈同盟): 二分寺町「寒劉市」
・大陸中央西: 島末領国: 島末領「水鈴市」
・大陸中央: 聖楓国(イオイーグル同盟): 河牧領「台岡市」
・大陸中央東: 富学国(星祈同盟): 学園京「籍山市」
・大陸南西: 自由商国(自由商国連合): 商楽都「品宮市」
・大陸南中央: 聖楓国(イオイーグル同盟): ニューアメリカンシティ「漠鷲市」
・大陸南東(南半島付け根): 聖楓国(イオイーグル同盟): ボードウォークシティ「沿歩市」
・北半島付け根: 月華山国: 月華港「文加市」
・北半島先端: 那本国: 北蘭港「港阿市」
・南半島中心: 白双国(イオイーグル同盟): ノルダートランド「襟渡市」
1月。前年より、大陸中央での聖楓国と光主国の戦争が続いており、難民が周辺へ流出。大陸随一の農業生産と林業に多大な影響が出ていた。一方、中央東部の富学国は、聖楓国よりの独立から1ヶ月が経つが、周辺部での散発的な戦闘があるものの、中心都市の学園京付近では、比較的治安が安定している。
2月。自由商国連合が突然、聖楓国に宣戦を布告。同時に、黒原の大地にあった聖楓国前線基地(北から「占辺」、「七袖」、「子柵」、「椋内」、「黒浜」)5カ所を攻撃した。聖楓国は、戦線をいったん後退させ、5カ所のうち占辺、子柵、黒浜の3カ所の基地を放棄。比較的後方になる七袖と椋内に戦力を集中させ対応したが、主力軍が大陸中央で光主国軍との戦闘が継続中であり、形勢は不利だった。
3月。光主国の侵攻により、河牧領周辺が陥落。聖楓国は、大きく戦線を後退させることとなる。大陸南部では、膠着状態が続く。聖楓国は、七袖と椋内において防衛に徹し、まもなく始める雨期を待つ作戦であった。
4月。2度の大きな嵐が大陸南部に襲来。雨期が到着し、自由商国軍は、後退を余儀なく、黒原の大地での戦闘は、一時休戦となる。自由商国軍は、陥落させていた3つの基地を破壊して放棄した。
大陸中央での戦いは、激しさを増す。南部に分散していた戦力の一部を主力に合流させ、反攻作戦を開始する。戦況は、局地的には目まぐるしく支配地域の入れ替わりがあったものの、全局的には、膠着状態であった。
その頃、南部では、雨期を利用し、黒原の大地の北にある丘陵地帯において、ユキハによる新国家「紅桜国」樹立が宣言された。戦乱の中、聖楓国の勢力圏が後退し、各国の統治が及ばなくなった空白地であったため、大国は、影響なしとして放置した。
5月3日。紅桜国が突如、大国の聖楓国へ宣戦布告。同日、黒原の大地の東、残っていた七袖と椋内の2つの前線基地で大規模な爆発が確認された。
翌4日。前線基地の後方にある補給拠点「錬陽」を紅桜国が占領。周辺の小都市を含め、紅桜国の支配下となる。この地域独特の激しい雨期の最中、嵐の中の奇襲であった。
5月中旬以降、聖楓国が軍を派遣するも、紅桜国が撃退。奇襲ではない戦闘で弱小の新興国が勝利したため、世界中に衝撃が走った。
6月。光主国が大陸中央での大規模戦闘に勝利。河牧領一帯は、完全に光主国の支配下となる。
聖楓国と自由商国の間にくさびを打ち込む形となった紅桜国は、周辺の小さな村落を勢力圏とし拡大。これに対し、聖楓国は、数度の戦闘を行うが、南部の特殊な地形と、雨期独特の気象条件に阻まれ、いずれも奪還できなかった。
7月後半。大陸南部は乾季になる。これにあわせ、聖楓国が本格的に紅桜国撃退に動く。中央方面での光主国との戦いで主力が動けないものの、紅桜国の数十倍の戦力と見られていた。
しかし、戦闘が始まると、森林地帯でゲリラ戦を展開する紅桜国軍に苦戦。いくつかの拠点を奪い返したものの、決定的な打撃は与えられなかった。
8月初旬。聖楓国軍と紅桜国軍の戦いは、地形を巧みに利用し、陥穽に誘導した紅桜国軍が勝利。聖楓国軍は、大打撃を受けて後退を余儀なくされる。
8月後半となり、この情報から、光主国が大陸中央から南部中央の聖楓国ニューアメリカシティ方面へ侵攻を開始する。
9月。光主国軍が大陸南部で大規模に侵攻を開始。聖楓国主力を大きく押し込み、ニューアメリカシティまでの間にあるふたつの拠点都市(「アリアスシティ」「フリージアシティ」)を占拠した。
一方、大陸南西部の自由商国が紅桜国に宣戦を布告。黒原の大地で戦闘が行われた。これまでに元々の聖楓国西側前線基地5つが破壊されており、自由商国軍が大きく大陸南部西側に侵攻。補給基地錬陽を含む、紅桜国のいくつかの拠点を占拠した。
10月。紅桜国が光主国に使者を派遣した。紅桜国より、大陸南部の分割案という方針が示された。この条約には、大陸南部を5つに分け、北部を光主国、西部を紅桜国が治め、残りの中央部、東部、南部を、中央のニューアメリカシティ周辺5つの砦のうち、3つを占拠した軍が治めることになっていた。このため、元々の戦力差に加え、西から自由商国軍に大きく攻められた紅桜国には、ニューアメリカシティ周辺の5つの砦を落とせる戦力はないと見て、条約を締結。共同で聖楓国と戦うことになった。
これを受けて、紅桜国は、主力を西側の自由商国軍へ向けることになる。
12月。ニューアメリカシティ周辺が陥落した。光主国軍が聖楓国主力との戦闘中、本来西側で戦闘中だったはずの紅桜国がニューアメリカシティの周辺城塞5つを占拠。“王都”漠鷲市を統治することになった。西に向かったはずの紅桜国軍だったが、主力はすぐに引き返し、光主国軍が聖楓国主力と戦っている間に、砦のみに攻撃を仕掛けて陥落させたものであった。
紅桜国との条約により、光主国は、北部のアリアスシティとフリージアシティまで後退。これにより、大陸南部は、東部と南部に聖楓国軍が、北部に光主国がそれぞれ支配した。そして、西部から南西部に自由商国軍が侵攻中であり、北西部と中央を紅桜国が支配することになる。
こうして、大陸南部は、4カ国が分割して統治するという混沌とした状況となったのであった。