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断星戦記 正史  作者: 深波あきら
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序章

 これは、断星戦記の正史である。

 小説で書かれた断星戦記の記録であり、説明文で書いていく。

 小説の舞台となっている断星の大陸の国家の動きがわかるだろう。

 投稿は、時代順ではなく、小説投稿時点の年号を追加していく。そのため、年号順で、投稿が前後することがありえる。

 小説とは違って、こちらを読む必要はないが、小説の舞台の国際的な動きが確認したい場合に利用いただきたい。


 この序章では、特定の年号ではなく、この星の基礎知識を書く。小説の執筆が進めば、公開可能情報が増えるため、加筆修正していくことになる。


 断星の大陸は、この星唯一の大陸である。

 この星は、テラフォーミングによって人工的に開発されたもので、当時は、地球からの呼称があったが、新星歴6031年(ユキハの章第一話時点)現在は、星自身を呼ぶ名称は、一般的に消失し、断星の大陸という大陸の名称だけが残っている。


●新星歴

 テラフォーミングが行われ、気候が安定し、いよいよ入植が始まるという時点で、地球とのつながりが絶たれるという絶望的な事件が発生する。

 この年を元年として、新星歴が作られた。

 それまでは、地球準拠の西暦とともに、宇宙に進出した人類は、地球の自転・公転速度とのずれを閏年、閏秒などで調整しなくてもいい暦、星歴が使われていた。

 新星歴は、星歴を元に、入植年を元年とし、1年間を360日、1ヶ月を30日に固定したもの。1秒の長さは、地球の自転からの逆算であったが、原子時計による基準で確定できるため、同じ長さである。

 この星の自転・公転周期は、1日24時間10分ほどと長く、公転周期が357日余りで、星の季節と新星歴の月では、1年で約半日のずれが生じていく。

 そのため、国家・地域毎に、このずれを補正したり、地域毎の季節や習慣などが加味された異なる暦が使用されている。

 異なる暦を使う地域間の外交や商売取引などにおいては、共通する日付が必要なため、新星歴を基準とした標準歴を用いる(新星歴の元旦0時に当たる時間をまたぐ1日を新年元旦とし、太陽の南中する時間を昼0時と定めたもの)。

 この正史では、新星歴を用い、日付・時間は、標準歴に準じる。

 特に指定がない場合は、大陸の東西端の時差が9時間弱あるが、事象の発生した地域の時間を基準とする。


●単位系

 一般的技術指標として、mks系(メートル、グラム、秒、ワット、ジュールなど)が用いられる。ヤード・ポンドは、専門分野知識として提供されており、一般的にこちらを用いる地域もある。

 mks系は、地球の大きさや地球上での重さを基準としているため、地球との連絡が長く途絶えた6031年現在は、原子量などを元に基準が定められている。そのため、数万分の1程度の誤差があるが、問題になることはない。

 これ以外の単位は、各国・各地域の技術レベルに応じて、必要になった際、“王都”が個別に技術基礎情報として開示されるが、一般的に用いられることはない。


●大陸の形状と大きさ

 大陸は、中央が南北にわずかに膨らんだ東西にながい長方形で。その東端に三日月をさらに薄くのばした円状にカーブした半島が角のようにある。この半島が包む海は、クレーターであり、半島の先端を伸ばしていくと列島になって連なり、宇宙から見ることができれば、陸続きではないが、ひとつの円となって見える。

 この半島のある東側は、地球にはなかった1万m級の山脈(月華の山脈)がある。山脈は、弧状になっており、クレーター西側の一部だということがわかる。

 単純に地図を描くなら、「C」の左に、横長の長方形をくっつけた形状といっていいだろう。

 遠浅の海岸は、半島部の一部と大陸西側にあるが、南北は、急角度の崖といっていい形状で、そのまま深く海中に入っており、いわゆる地球の大陸棚は存在しない。

 大陸中央部に、二本の東西に延びる巨大な川がある。これは、入植時に作られた人工用水であり、当初は幅10kmの直線上だったが、長く放置され、度重なる戦乱などの影響もあり、新星歴6031年現在では、一部蛇行したり、広がったりと、やや形状が変化している。

 大きさは、東西、半島の端から西海岸まで約12,500km。南北は、半島の部分で約4,900kmほどで、半島をのぞいた西側で最も長い部分で、約4,100km。

 6031年現在、海面が徐々に下がってきており、わずかずつではあるが、(特に東西に)長くなっている。


●12の“王都”

 断星の大陸には、入植時に12の拠点が作られ、それが現在の“王都”である。

 大陸に9カ所、北の半島に1カ所、南の半島に2カ所存在する。

 テラフォーミングの拠点として、惑星の気候が安定する前でも存在できるよう作られた高度な建造物であり、堅牢な要塞都市となっている。

 全てに、女王と呼ばれる女性がおり、血の多様性を確保する使命を持つ。また、突然変異したミトコンドリア遺伝子を持つ女性も保護されており、こちらは、姫王と呼ばれる保護されて、血を保存している。


●新星歴6031年の“王都”

 12の“王都”を、(大陸の大まかな位置):(周辺含む都市の呼称)「(“王都”のみの正語名)」の順で書く。

 周辺含む都市の呼称の、都や京、領などは、かつて、統一国家時代に、人口規模で大まかに決められた呼称が残ったもの。あくまでも6031年時点でのその地域での呼称であり、人口規模を指し示すものではない。

“王都”の名前は、行政区分の市の規模の人口だったため、慣習的に呼ばれたものが、数千年経って正式名称として固定化したもの。6031年現在、市と呼ばれるのは、“王都”のみ。


・大陸北西: 洋浜領(ようひんりょう)府田市(ふたし)

・大陸北中央: 聖蕉宮(せいしょうぐう)愛本市(あいもとし)

・大陸北東: 二分寺町(にぶんじちょう)寒劉市(かんりゅうし)

・大陸中央西: 島末領(とうまつりょう)水鈴市(すいりんし)

・大陸中央: 河牧領(かぼくりょう)台岡市(たいこうし)

・大陸中央東: 学園京(がくえんきょう)籍山市(せきさんし)

・大陸南西: 商楽都(しょうがくと)品宮市(ひんぐうし)

・大陸南中央: ニューアメリカンシティ「漠鷲市(ばくしゅうし)

・大陸南東(南半島付け根): ボードウォークシティ「沿歩市(えんほし)」※boardwalkではなく、 bowed walk。

・北半島付け根: 月華港(げっかこう)文加市(ぶんかし)

・北半島先端: 北蘭港(ほくらんこう)港阿市(こうあし)

・南半島中心: ノルダートランド「襟渡市(えりとし)


●地図

挿絵(By みてみん)

 黄色い点が“王都”。水色の直線が2本の大河。実際には、微妙な蛇行などがあるが、この縮尺では直線になる。


●資源・エネルギー

 大陸は、ケイ酸塩、鉄分などを多く含む土壌である。しかし、生物のいなかった惑星をテラフォーミングによって開拓された星ということもあり、天然の化石燃料は存在しない。また、土壌に成分としてカルシウムは、存在するものの、地球のように生物の死骸が堆積してできる石灰層はない。このため、コンクリートは、テラフォーミング時に持ち込まれた以上のものはない。

 土壌として必要な養分は、大量に地球から持ち込まれているため、地域の気候にもよるが、植物が育つ土壌環境になっている。

 また、大陸に火山は全くなく、プレート活動も観測されない。プレート型、断層型の地震は、6000年間、発生が観測されたことがない。

 エネルギーは、木材を燃やすか、太陽光、水力、潮汐力による発電ということになっている。

 発電の主力は、太陽光と水力で、水力発電は、月華の山脈に巨大な発電所があり、“王都”の管理下にある。太陽光も高性能なものは、“王都”の独占状態であり、新星歴6031年現在、大規模といえる太陽光発電所は存在しない。

 唯一のエネルギーとして、電気が地下送電網で送られており、その送電網の整備のみ、“王都”が行っている。各国は、各地にある変電施設を利用しており、その変電施設の確保が、各国の国力に直結している。


●人口分布と総人口

“王都”とその周辺部で、30万人~60万人の日本の地方都市程度が住んでいる。

 その他は、発見されている変電所付近で、5万人~1000人の町が数多く点在し、変電所から離れた地域では、1000人未満の村落が無数にある。

 総人口は、6031年現在、“王都”が管理できる範囲での記録では、6千万人ほど。居住可能面積全体からすると、非常に人口密度が低いといえる。


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