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第9話 バカでもやる時はやる!

 

「ふぅ………完璧だぜ…」


 古典の小テストが終わった

 俺的予想ではまぁ10点満点中10点だろう。横の席のやつは腕を枕にして死んでいる


「進学組なんて来なきゃよかった…」

「後悔してんのか?」

「智…いつもあんな難しいのしてんの?」

「いや、あれは簡単だろ」

「あれで…」


 千鶴は珍しく落ち込んでいるようで、少しだけ慰めようとしていると宗太が近寄ってきた。


「智樹~、さっきのテストどうだった?」

「完璧」

「やっぱ、文系だけは凄いな」

「まぁな。宗太は…あ、いいや、どうせダメなんだろうから」

「そう思うだろ?今回はいけたんだよなぁ。簡単だったし」


 宗太は得意げに俺の方を見てくるけど、その後ろでは宗太の言葉を聞いて、さらにショックを受けた千鶴がこっちを見てくる

 宗太はまだ千鶴に気付いていなくて、今回の小テストは楽だった。とか今回の平均点は8点ぐらいだろう。とか地雷を次々と踏んでいく

 そのたびに千鶴は宗太では無く俺を睨んできて、早くこいつを止めろ!と目で訴えてきた


「いやぁ、ホントに今回の小テストは楽だったな」

「あ、ああ…それより、宗太」

「なんだ?」

「えっと…そうそう、なんか面白いこと無いか?最近暇なんだよ」

「面白いことか?」

「ああ。何か無いか?」


 宗太はバカなので話をヅラすことは簡単だ

 なんとか千鶴の訴えてくる目を治すことができて、俺は安心していると前で宗太が良いことを思いついたのか頭からピコンッと言う感じの音が出るぐらいの笑顔で俺の方と千鶴を見比べてた


「そういや、木島さんの編入祝いしてなかったよな。今週日曜にしないか?」

「俺に聞かれても…」

「木島さんはどう?やらない?」

「私は…ん~…」

「やろうやろう。そうだなぁ…USJがいいなぁ…やっぱり皆で行きたいよな。うん、集めてくるよ」

「ちょ、おい!」


 宗太を止めようとすると、あと一歩足りずに次々とクラスメイトに声をかけていく

 今週の日曜はバイトだ

 横にいる千鶴は俺の方に小さな声で話かけてきた


「ねぇ、あの人いつもあんなんなの?」

「まぁ…」

「私、日曜日はポチに会いに行く予定だったんだけど」

「いやいや、俺バイトあるし。勝手に決められても」

「えぇ…ポチに会いたいのに…連れてきてよ。学校に」

「嫌だよ」

「智樹に木島さん、15人はOKだってさ」

「俺はバイトだし、抜け」

「うわ、マジかよ…んじゃ木島さんだけでいいや」

「ごめんなさい、私もちょっと…」

「ええぇ~…」


 千鶴は申し訳なさそうな顔をしながら手を合わせて、謝る

 すると、宗太は俺が断った時以上に残念そうな顔をした

 どうせ、遊園地で千鶴と仲良くしようとかそういう魂胆でもあったんだろう

 その魂胆が叶わないとなると宗太は千鶴に聞こえないように俺に話かけてきた


「おい、来いよ」

「バイトだって言ってんだろ」

「清水も理紗も来るんだぞ?これ以上面白いことは無いだろ」

「でも堀井来るんだろ?俺、あいつと話すのめんどくさい」

「あいつはぁ…ほっとけ。うん、ほっとけばいい。とにかく木島さんが来ないのはお前が原因な気がするから来い。バイト代は俺がやるから」

「マジか。それじゃ遊園地代+その日のバイト料+αで…3万ちょいだぞ?」

「高っ!」

「んじゃ~行かな~い」

「……2万で勘弁してくれ」

「2万か…まぁいいや」


 2万なら十分すぎるぐらいだ

 バイト料って言ってもだし、USJ代は年間パス持ってるからタダのようなもんだ


「千鶴、今日空いてるか?」

「今日?」

「そ、ポチはもう居るから今日会いに来たらいい。んで、日曜日は皆で遊びに行こう」

「行くの?USJ」

「ああ。バイトは休めばいいし」

「ふ~ん…」

「決まりだな。宗太、行くって」

「よっしゃ!んじゃ参加者を確認するためこの紙に名前書いて」


 俺は宗太が持っている紙を受け取り、参加者の名前を確認していく

 そして、一番下に祠堂と木島と書いて宗太に渡して、日曜日休みを貰う為にメールを雇い主に送った

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