表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/85

第51話 大丈夫?

 

 やっぱり残って良かったかもしれない

 あれから2時間も立つと佐藤さんの状態は悪化していき、千鶴によると39度まで上がっているらしい

 俺はなるべく部屋には入らないようにする

 本当は俺が見ておいた方が看病は楽だけど、佐藤さんが気を使いそうだ

 まぁ俺がここにいるだけでも佐藤さんは気を使いそうだから家に帰った方が良いんだろうけど、千鶴1人に任せるのはさすがに怖い


 俺は人の家の冷凍庫の氷を袋に詰めて、氷嚢を作ったり、しょうが汁を作ったりして後衛支援をする


「智、なんか暑くなってきたってさ」

「んじゃ布団の量減らして、風が通るようにして」

「いいの?」

「暑いって言ってんだろ?あ、一気にするなよ」

「うん」

「ほら、この氷嚢を枕の下辺りに。あと汗かいてんなら拭いて」

「智が拭けば?」

「おまえバカ?」

「照れてる照れてる」


 なんか帰りたくなってきた…

 もう佐藤さんも体温が下がり始めるだろうから安心できるし、あとはメールでも良いだろう

 俺は財布を持ってコンビニに行き、ポカリなどを買ってから佐藤さんの家に戻る

 そして、ノックをして確認してから佐藤さんの部屋に入る

 部屋の中は佐藤さんはすでに寝ていて千鶴は心配そうに見ていた


「千鶴、俺帰るわ」

「え?なんで?」

「いや、あとはお前1人でいけるだろ。それに佐藤さんも俺がいたら気使いそうだし」

「ん~…わかった。私は残るね」

「当り前だろ…。ほら、これ。お前の晩飯、何も食ってないだろ?あと、これは佐藤さんの水分補給用な

 んじゃ、なんかあったら時間気にせずにメールでもしてくれ。じゃ」


 俺はコンビニの袋を千鶴に渡してから、カバンを持ち家を出る

 時間はすでに10時だが、まだ電車はある。俺は暗い道を1人で歩いていると後ろの方から誰かが歩いてくる音が聞こえてくる

 ここの通りはほとんど人が通らない感じで街灯もあまり無いため暗い

 確かにあの千鶴でも危ない通りだ


 俺はしばらく歩いても後ろの人が付いてくるため、少し怖くなったが勇気を出して振り向く


「あ、やっぱり智樹だ」

「清水か…」

「なんか智樹っぽい後ろ姿だったから後付けちゃったよ」

「お前それめっちゃ怖いから止めた方がいいよ」

「あ、うん。それにしてもこんな時間にどうしたの?確か買い物って…」

「ん?あ~…」


 そういえばそんなことを言っていたような気がする

 清水は不思議そうに俺の方を見てくるが、適当にごまかすことにした


「千鶴のバカを探してたらこんな時間になったんだよ」

「見つかったの?」

「先に帰ってたらしい」

「へ、へぇ…それはドンマイだね」

「まぁな。んで、清水は?」

「僕?僕は…その…」

「夜走ってたりするのか?」

「い、いや…う、うん。そうなんだ。体力づくりしようかなぁと思って」

「…ふ~ん。まぁ頑張れよ。んじゃ帰るわ」

「うん、また明日」


 清水とT路地で分かれて駅に向かう

 もしかすると、清水は佐藤さんの家にでも行ったんだろうか…

 もし、そうならストーカーに近いことをしてることになるんじゃないだろうか…

 それにタイミングが悪ければ俺が佐藤さんのマンションの出口から出てきたのも見たかもしれない


 俺はほんの少しだけ心配しながらも清水のあの表情を見る限りでは最後のは無いと確信して家へと向かった



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ