第4話 平均1ページと半分の量です。
誰も起こしてくれないのは酷いんじゃないだろうか…
始業式から3日経って、すでに授業は始まっている
そして、まだ俺の中では春休みが続いてたのか朝礼から寝てしまい、起きると周りの皆はお昼ご飯を食べていた
そして、全然お腹の減っていない俺は1人、午前の授業のノートを写させてもらっていた
「やっと1つ終わった…いちいち多いんだよ…書く量が…」
俺はルーズリーフをもう1枚取り出して、次は数学を写すことにする
数学は数字しか書かなくて良いから楽だけど、数字が苦手な俺にとっては写すのさえ苦痛でしかない
「頭痛い…書くの辛い…」
「智樹、ご飯足りないから食堂行かね?」
「おい、バカ宗太。人見てから物言え」
「ポテト奢るぞ?」
「行かせてもらおう。宗太殿」
「いいのか?ノート写さなくて」
「あ~…ちょっと待って」
教室から出ようとするのをやめて、一度自分の席に戻る
そして、写し終わったノートを持って、教室の前の方で千鶴を中心に盛り上がっている女の子の中に向かい、その中にいる佐藤さんに話かける
「話の途中でごめん。佐藤さん、このノートありがとう。あと、数学と古典と英語のノート今日貸してもらっていいかな?返すのは~…明日になるかもしれないけど」
「え、あ…うん。いいよ」
「ありがとう、助かるよ。それじゃ」
頭を下げて、自分の席に戻り、佐藤さんのノートをカバンの中に入れて、宗太の所へ向かう
「よし、ポテトとジュースを奢ってもらおう」
「いや、どっちか1つだから」
「ケチくさいことを言うな。金持ちのくせに」
「お前…もしかしてお金があるから俺と友達になってるだろ」
「7割合ってて3割信頼できる1割楽しいからだな」
「7割って…お前だけだよ…そんな正直に言うやつ」
「嬉しいか?宗太」
「嬉しいわけ無いだろ。ほら、ジュースとポテト買うんだろ、行こうぜ」
宗太は食堂へと歩いていき、俺も付いていく
正直、宗太のこういう所があるから波が合うのかもしれない
俺と宗太は食堂に着くと、進学組と普通組の生徒がたくさんいる
俺は宗太から100円を貰い、ジュースを買って、宗太が帰ってくるのを待っていると清水が食堂に来た
「お、清水」
「智樹、珍しいね。食堂にくるなんて」
「宗太が奢ってくれるって言ったから」
「なるほど。あ、そういえばさっき佐藤さんと何話してたの?」
「ん?あ~ノート貸出の延期を要請してた」
「………」
清水は言葉にしにくい目で俺の方を見てくる
睨んでるとも言い難いし、普通に俺と見てるとも言い難い
とにかく、嫌な感じで見てるんだろう
だって、清水は佐藤さんラブだから
「別にノート借りただけだから気にしなくていいよ」
「え?」
「何でも無い。宗太来たからそろそろ教室帰るけど清水はどうする?」
「僕はここでうどん食べようかな」
「そっか、んじゃ教室でな。宗太~早く来い~」
俺は教室に向かって歩き出す
あれで清水は周りにバレテいないと思っているって本当に思ってるんだろうか…
誰から見ても明らかだし…
俺は宗太からポテトの入ったパックを受け取り、口に運びながら教室に戻る
そして、ノートを明日返せれることになったので俺は残りの昼休みの時間でお弁当を食べることにした