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第39話 バカップル

 

「はぁぁ…いい加減にしてくんない?」


 人の家でこいつらは何をしてるんだろう…

 恋沙汰なら他でやれってんだ


「千鶴ぅ…悪かったって言ってるだろ」

「ふん!!!」

「千鶴ぅ…」


 こんな風に女相手に土下座をして許しを得ようとする姿は男の俺から見ても悲しいものがある…

 落ちぶれた戦士はここまで落ちぶれるものなんだろうか…


「千鶴ぅ…許してよ…」

「黙れ!」

「千鶴ぅ…」


 ダメだ…この男、可哀そうすぎる…

 俺はつい手を貸しそうになったが、手を出せば俺にまで被害が及ぶため手を出さない

 それにしても…こいつらはなんなんだろう…

 千鶴は許したいのに許せない、一方的に謝ってくる隼人の姿がムカつくんだろう


「千鶴ぅ…」

「隼人…なんかもうやめてくんないか?俺が悲しくなる」

「だって、許してくれないんだもん」

「そんな風に謝るからだろ」

「男は土下座だろ?」

「どこの知識だよ…」


 このバカはどんな所で知識を得たんだろう…

 こんな奴が知り合いなんて悲しくなる

 俺はそっぽを向いている千鶴の頭を捕まえて、隼人の方へ向かせてから、隼人の土下座を止めさせ、向かい合わせに座らせる


「ほら、まだお互い好きならキスしろ、嫌いなら千鶴は隼人を本気でぶん殴れ、好き過ぎてたまんないならどっかのホテルでしてこい。とりあえずここじゃウザいからどっか他でやってくれ。はい、お終い」


 俺はパンっと手を叩いてからリビングを出て、しばらく待っているとニコニコした千鶴と隼人が出てきた


「いやぁ…ありがとうな!智」

「ありがとうね、智」

「はいはい、どっか行け。そのラブラブオーラを振りまくなキモい」


 やっぱりバカ同士、仲直りするのなんて簡単だ

 とにかくこのバカ2人が放つラブラブオーラが嫌だ…気持ち悪い…

 俺は消えろオーラを前面に放ちながら2人を見る

 すると、バカでも気が付いたのか急ぐように靴を履いてそそくさと出ていく

 バカカップルが居なくなると家の中はいつも通りの静かな家に戻り、ポチもいつも通りの位置、リビングの机の下に戻る


 俺はソファに寝転んでTVを付ける

 すると、ちょうど遠くの国で内戦が激しくなったということを知らせていた

 その国は確か父さんが行っている国だった気がする

 まぁいつ死んでも良いようにタンスの中には遺書が置いてあるから気にしないけど


 俺は一応、届かないメールを父さんに送ってTVの電源を消した


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