第31話 合宿終了。
「終わったぁぁぁ~」
旅館の門を出て、しばらく歩いていると横のバカが叫んだ
周りの人たちは何事かとそのバカを見るが、特に何もないと思うとすぐに前を向き、歩いていく
そして、俺はバカの頭をカバンで叩いてからスタスタと歩く
「んもぉ…あなたったら照れちゃって。カワイイ」
「お前ぶっ飛ばすぞ」
「はぁ…せっかく人が束縛から解かれて気持ちいいのに邪魔するかなぁ」
「邪魔してんのはお前だろ…」
俺は千鶴を置いたまま、少し歩くペースを上げると千鶴は俺の横を早歩きペースで付いてきた
「ちょっと歩くの早くない?」
「お前と同じだと思われたくない」
「どうかした?なんか不機嫌だけど」
「…はぁ……お前のせいだろ…」
今日の朝食の時間
俺は合宿に来ている進学組全員の前に立たされた
もちろん理由は昨日の足湯の件だ
結局あの日は12時には帰れず、部屋に戻ったのは12時40分
先生は俺の部屋の前にいて、仁王立ち
そこでものすごく怒られ、朝食の時にも晒し者にされた
「面白かったよね~。皆にクスクス笑われてさ」
「それ以上言ったら犯すぞ」
「きゃっ、犯すなんて、怖い怖い」
千鶴は無い胸を隠すようにするが、こいつの胸なんて興味無い
俺はさっさと切符を買って、駅の中に入り、電車を座りながら待つ
千鶴は俺が反応しないのが面白くないのか、ため息を吐いて横に座った
何も話さないままじーっとしているとポケットの中に入っている携帯がブルブルと震える
「………」
「誰?」
「お前に関係ない」
「まぁまぁ、見せてみ。お姉さんに」
「おい」
俺の携帯は簡単に取られて、メールを開かれる
「あ~、理子さんだ。なんだっけ?お母さんの姉さんだっけ?」
「まぁそんなところ。返せ」
「明日帰ってくるってさ。よかったね」
「…そうだな」
俺は携帯を返してもらい、メールの内容を確認してから“わかった”とだけ返した