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第21話 保健室の野獣?


体育はシンドイ

だって、無駄に動くし、走らないといけないし…

身体は疲れるし…


いつから俺は体育が嫌いになったんだろう…

いや、体育自体は好きな方だ。バレーも嫌いじゃない

嫌いなのはバスケ…嫌な思い出しかないからだ…あんなことが無ければおれもこの高校でバスケをしていたんだろうか…


「よっしゃ!智樹、ナイスサーブだ!」


俺のサーブが見事敵の陣地でバウンドをし、ピピーと大きな音が鳴る

結局、20-5で俺たちの勝ち。

公式では25点までだけど、まぁここは体育だし、時間の関係もあるんだろう


宗太たちが喜んでいると、先生が集合を掛け、教室に帰るように言った


「智樹、帰ろうぜ」

「ああ」

「大丈夫か?なんか顔色悪いぞ?」

「いや、大丈夫だ」

「そうか?なんか青くなってるし…やっぱ保健室行くか?」


宗太は本当に心配している感じで見てくる

本当に俺の顔色が悪いんだろう…

次の授業は確か古典だから休んでも大丈夫だ


「そうだな…次休ませてもらうわ。先生に言っといて」

「ああ。ついていかなくて大丈夫か?」

「ああ。大丈夫。とりあえず、先生に頼むわ」

「おう」


俺は宗太に言ってから皆とは逆の方へ歩いていく

保健室は他の校舎と違って少し離れていて、静かな場所にある

保健室の扉を開けると縁なしメガネを掛けた髪が背中まで伸びた理的な人がこっちを向く


「あら、珍しい」

「どうも、寝かせてもらいます。早苗さん」


本名は藤堂早苗(とうどうさなえ、うちの学校の養護教諭だ

早苗さんは俺の母親の妹さんで、年齢は少なくとも30代後半の年齢だ(ちなみに中学生の子持ちで、バツ1)

見た目が綺麗な分、年齢が分かりずらいが、母さんより年下であまり離れていないと言っていたから30歳は超えているのは確かに間違いない。だけど、顔だけ見れば下手すりゃ20代でも通じる

ものすごく童顔なのと背が小さいのがより一層そういう感じに見えるんだろう


「智ちゃん、今日誰もベッドで寝てないから一緒に寝てあげようか?」


ニコニコしながら早苗さんは言ってくる

もちろん、こんな綺麗な人なら嬉しいんだけど、顔が微妙に母さんに似ているため正直複雑な心境だ


「早苗さん、仕事してください」

「だって~、ここの子たちって全然来ないんだもの。それに保健室は他の校舎から離れているでしょ?」

「楽でいいんじゃないですか?」

「養護教諭も大変なのよ?色々やらないといけないし」

「んじゃそれをやればいいじゃないですか」

「だから~その仕事も終わって暇なのよぉ」

「俺はシンドイんです。静かにしててください」


俺はそう言ってカーテンを閉め、ベッドの中に入る

すると早苗さんも一緒に入ってきた


「姉の息子に手出そうとしないでください」

「小さい時にお姉ちゃんと離れて、寂しかったでしょ。私をお母さんだと思って胸に飛び込んできなさい」

「早苗さん…もう良いですから寝かせてください」

「もぉ、甘えてもいいのに。昔はよく「早苗しゃんと寝る~!!」って言ってたのに」

「早苗さん」

「はいは~い。そんな怖い顔してたら女の子が逃げちゃうわよ」

「あなた以外にはしませんので安心してください」

「あ、もしかして私って智ちゃんの中で特別?」

「…早苗さん」

「ごめんごめん。そんな怖い顔ダメだよ」


早苗さんは両手を前で合わせて謝りながらカーテンを閉まる

あの人は全然変わらない…

俺の両親が離婚してからしばらくは早苗さんの所でお世話になっていたけど、昔からあんな感じだ

そして、昔から年下好きらしく、養護教諭になったのも思春期絶好調の高校生相手に公認で触ったりできるから。

まぁそれだけなら俺はこんな所に来ないんだけど、早苗さんは一応、同性愛者。

つまり、レズビアンだ。女性にしか興味が無い。


「智ちゃん、確かあなたの…友達で可愛い子いたわよね?」

「あの~…眠りかけの時に話しかけないでくれませんか?」

「いたわよね?」

「…無視かよ………千鶴ですか?」

「千鶴ちゃん?」

「木島千鶴ですか?」

「そうそう、木島さん。智ちゃんが帰ったらその子にここに来るように言っておいて」


思わず俺はベッドから起きて、カーテンを開けると早苗さんはビックリしたような顔で俺の方を見てきた


「あ、あんた…俺の友達にまで手出す気か…」

「あははははは、もぉ出さないわよ。智ちゃんの友達にはね」

「あ………もしかして、他の…」

「だ~め。それ以上聞いたら智ちゃんの恥ずかしい過去話を放送しちゃうわよ?」

「…………」


開いた口も閉まらない…

早苗さんがレズなのは知っていたけど…まさか、本当に学生相手に手を出してるなんて思わなかった…

早苗さんはニコニコしながら、ベッドで寝るように行って、俺をベッドの方へ歩かせる


「言っとくけど、私は今はレズだけど、昔はちゃんとした恋もしてたし、子供も産んだし」

「なら、若い子に手を出さないでください。ましてや娘と同じぐらいの年の子」

「関係ないない。てか、若い子なら男女問わず好きよ?」

「それでも手出さないでください」

「大丈夫よ。この学校じゃ見るだけだから。ほら、寝て寝て」


信じがたいことだが、早苗さんと俺の繋がりなんて分からないと思うから別にどうでもいいことでもある

ただ…中学生の娘を持ってる母親だし、その子のことも考えてほしい


「大丈夫、智ちゃんがちゃんと見てくれるんでしょ」

「勝手に人の頭を覗かないでください」

「はいは~い。それじゃ次の時間になったら起こすからね」


早苗さんはそれだけ言うとカーテンを閉めて、保健室からどこかへ出ていった



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