第19話 雨の日は体育館で。
「はぁ……雨ばっか…」
窓から外を見るとかなり強めの雨がザーザーと降り、今日の体育は体育館になった
それ自体は嬉しいことなんだけど、雨なので気分が乗らない
「おい、智樹。さっさと着替えて体育館行こうぜ」
「宗太はなんかハイテンションだな」
「そりゃそうだろ。だって俺の頑張ってる所を女子に見せれるんだぜ?」
「はいはい」
「なんだよ。んじゃ良いこと教えてやる。今日体育館でやるのはバスケらしいぞ」
「…そ」
「テンション低すぎるだろ…智樹。とりあえずさっさと着替えて行こうぜ」
「あぃよ~」
外の雨を見ながら体操服に着替えて、体育館シューズを持って体育館に行く
体育館にはすでに女子も着ていて、柔軟体操をしている
俺たち男子は体操をしている者、女子に見惚れて鼻の下を伸ばしてる者、すでにボールで遊んでいる者など様々だ
宗太は走って鼻の下を伸ばしている者達の方へ行き、俺はステージの上に座ってボーっと過ごす
5分ぐらい経つと先生も来て、適当に並び、話を聞く
「え~っと、とりあえず、今日は体育館でバスケすることになったので10分以内に2人1組で体操してから練習、その後は試合な。
んじゃ女子がいるけど張り切りすぎないように」
先生はそれだけ言うとホワイトボードにA、Bと書き、チームを作っていく
進学組の特徴なのだが、体育は息抜きだ
体育教師もそのつもりでやっていて、基本自由にさせてもらえる。
もちろん、怪我などはしないようにしてるんだけど
皆で体操、練習も済ませて先生の所に行くと俺はBチームに分けられていた
「それじゃこのチームでやるから」
先生はそう言うとチームに別れるように言い、俺たちはそれに従う
Bチームには俺以外に清水がいるけど、こいつは運動が苦手だし、使い物にならない
他の人もほとんど苦手な人ばっかりだ
Aチームは簡単に言えば運動ができるチームだろうか…
宗太が一番筆頭に中学時代に運動系の部活に入っていた人もかなりいる
「智樹!勝負だぞ!!」
「宗太…ごめんな…俺、お前の顔目掛けてシュートするわ…」
「ちょ!怖いこと言うな!」
「ほら、清水もなんか言え」
「えっと…お互い頑張ろうな、宗太」
俺はため息を吐きながら、先生に試合を始めるように頼み、試合が始まった