第18話 清水の悩み。
今日で中間テストも終わり。
あと10分で最後のテストが終わる。
俺は最後の見直しをしながら、横をチラ見する
千鶴はなんだかものすごく唸ってる…
もしかすると、もう千鶴に夏休みは無いのかも知れない…
「はい、そこまでです。後ろの人、回収してください」
前にいる先生が教室中に聞こえるように言って、後ろの生徒がテスト用紙を回収していく
そして、帰っても良いと言われると次々と帰って行く
「おい、帰んぞ」
俺は項垂れている千鶴を叩き起こす
「うぅぅ…も、もう駄目だ…」
「まぁいいや。俺は先に帰るから」
適当に言って、カバンを持ってからドアの方へ向かっていく
もう少しで教室を出れそうな時に清水が俺を呼んだ
「何?」
「あ、あのさ。ちょっと時間あるかな?」
「今?」
「うん」
「ん~…歩きながらでもいいかな?俺、早く帰って寝たいし」
「あ、うん」
まぁ清水が相談してくる内容は分かるんだけど、こっちも時間がヤバい
早くベッドの上に寝転ばないと倒れそうだ…
俺と清水は校門を出て、しばらく歩いていく
「んで、どんなご相談で?」
「えっと…その…」
清水は正直キモ…じゃなくて、青春を満喫しているのかモジモジしてどんな言葉にして俺に悩みを言おうか悩んでいる
「その…えっと……じ、実は僕、佐藤のこと…」
「ん?佐藤さんのこと?」
「す…好きなんだ…。で、その…えっと…」
なんだろう…清水が俺に対して信頼があるから言ってくれてるのは分かる
俺もそのことに関してはまぁ嬉しいんだけど…
人が悩みを聞いてあげてるのに、モジモジと……ムカついてきた…
「え~っと…清水の言いたいことをまとめるぞ
清水は佐藤さんの事が好きで、どうやれば佐藤さんと付き合えるのか分からないと。
んで、俺の意見を聞きたいってことね」
「そ、そうなんだけど…」
「正直に言っていいか?」
「ご、ごめん。こんなこと相談して」
「いや、別にいいんだけど。俺、恋愛経験無いよ?」
「え、でも木島さんと」
「あいつとはそういう仲じゃない。
何?清水は佐藤さんと俺達みたいな関係作りたいわけ?
止めた方がいいよ。俺とあいつの間に恋愛感情なんて一切無い」
きっちりと俺は清水に言うと少し落ち込んだみたいで歩くペースが少し落ちる
まぁ普通に見れば恋愛感情があるって言われても仕方ない絡みをしてるけど…
「まぁ、俺はなるべく協力させてもらうよ。お前と佐藤さんの間を」
俺は手を上げて、パッと顔が明るくなった清水を置いて駅の中に入る
でも、どうやって応援すれば良いんだろう…協力するとは言ったけど全然考えていない
まずはキッカケを作ればいいのだろうか…
俺はそんなことを考えながら自分の家にへ向かって歩いていく