表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/85

第16話 巨大パフェ。

 

 俺がトイレから帰ると、俺の座っていた席に佐藤さん、その横に清水が座っていた


「ご出勤御苦労さま」

「智樹、その服装は…」


 清水は明らかに一歩引くような顔で俺の方を見てきた

 まぁ清水もファミレス如きにそのファッションはどうなんだ?っていうぐらい、完璧に決めてきました!感がみなぎっている


「清水もずいぶん気合の入った服装で」

「こ、これはちょっと用事で出かけようとしてたから」

「ふ~ん、その用事を止めてまで、こっちに来たんだ…御苦労さま」


 これ以上清水をいじるのも可哀そうだと思い、俺は千鶴側の席を空けるように言って、千鶴の横に座る

 まぁ俺なりの清水へ対するお礼みたいなもんだ

 正直なところは、あたふたする清水を正面から見たいだけなんだけど

 ニコニコしながら清水がテンパッている様子を見ていると、2人で大きなパフェを持ってきた


「ご注文の巨大パフェです。」

「あ、来た来た。ありがとうございます~」


 千鶴は嬉しそうに巨大パフェの置く場所を作り、スプーンを取って、第一口目を食べる

 その姿に俺は大きくため息を吐いて、佐藤さんはびっくりして目を大きく開いていて、清水も同じような感じでパフェを見る

 そして、宗太は…完全に口が開いていてビックリを通り越して、息が止まってるんじゃないだろうか…

 俺は更に宗太に対して追い打ちをするように伝票を宗太に見せると、伝票と千鶴が食べている巨大パフェを見比べていた

 そりゃそうだろう。この巨大パフェは総重量8キロ近くあって、13000円というバカみたいな高さなんだから


「智、食べないの?」

「これ、5人で食えるか?」

「分かんないけど、昔は3人で食べたよ」

「あんときは…1人異常な奴がいたからだろ…」

「大丈夫、大丈夫。さぁさぁ皆も食べようよ」


 千鶴は次々と犠牲者を生むようにスプーンを配り、周りの客から視線を貰いながら俺たちは巨大パフェに立ち向かった



 ………はずだった…

 まず、佐藤さんがギブアップ

 次に宗太がギブアップ


 と次々に2階級特進していく中、俺と千鶴、清水はパクパクと食べていく

 というか、清水はすでに限界を超えてるんじゃないだろうか…

 少しでも佐藤さんの前で良い所を見せたいと思って頑張ってるんだろうけど、顔はすでに青くなり出していて、明らかにキツそうだ


「す、すごいね…千鶴ちゃんに祠堂くんに清水くん。

 なんだか、そんな一杯食べれるなんて尊敬するよ…」


 佐藤さんが目をくりっとしながら純粋に言ったんだと思う

 でも、それは清水に死ねと言っているようなもんだ

 清水はその言葉を聞いて、更にやる気になったのか、スプーンの進むスピードが一気に上がった

 俺と千鶴はマイペースに食べながら、時に佐藤さんと3人で話しながら食べていると前でギュルルルルと嫌な音がする

 その音は横で死んでいる宗太にも聞こえたのか、顔を上げてギョッとしたような顔をした

 佐藤さんも上半身が引いていて、千鶴もさすがに引いている

 だって、俺の前で清水が青い顔をしながら頬を膨らませていて、今にも吐きそうな感じだから


「お、おい!トイレ行って来い!ぜったいここでやんなよ!!!」


 俺は慌てて、トイレの方を指差し、清水に言う

 清水は口を手で抑えて急いで走る

 あれは完璧にヤバい…

 横の千鶴は、あんなのを見たせいでマイペースに進んでいたスプーンはピタッと止まり、俺の方を見てきた


「………」

「………食えよ。お前」

「……無理…もう無理…」

「はぁぁぁぁ…」


 これで残り戦闘員は俺だけ…

 俺は敵の量があと3キロ近くある軍団相手に1人で立ち向かわないといけない現実に現実逃避をしたくなりながら俺無双を繰り広げながら敵の数を減らして行った





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ