自然農法
自律型管理機が種を採取し終えた胡瓜を根元から切り倒し、切り刻み、鋤き込んでいる。
この畑は一反ほどで、AIを利用して自然農法のオートメーション化を実践している。
害虫対策は、畑の数ヶ所にある高出力レーザーで焼き落とす。害虫の死骸はそのまま土の肥やしとなる。高出力レーザーは雨中では役に立たないが、雨の中では羽虫の心配は少ない。
地から這い寄る害虫に対しては、やや古典的な手法をとっている。害虫を感知するようなセンサーは使用しない。自律型管理機が作物の葉をすべて刷毛で払うのだ。地に落ちた害虫は管理機のキャタピラーで踏みつぶされる。同時に防虫対策として、残渣からつくった酢酸を使用した害虫が忌避する液体を噴霧している。
他、種蒔きから収穫まで全てAIを使用した管理機やドローンで、無農薬無化成肥料の自然農法を完全オートメーション化することに成功している。
自律管理機のエネルギーは太陽光及び残渣から精製したバイオエタノールから、故障部品は3Dプリンタで出力している。完全に独立したシステムだ。
作物は限定されているが、1年をAIのみで運営できるまでに10年の年月がかかった。これも、3年前に自然農法の最大の障害が無くなったのが大きい。
3年前、人間が滅亡したのだ。
人間さえいなくなれば、自然農法は不可能では無い。




