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雷球が渦電ミキサーと化して魔人モドキを脳天から襲おうが、死にはしないに決
まっている‥‥そう肌で感じているからこその推断ながら、倒すに留めずマジガチ
に斃す気でバトらなければ、この魔人モドキは強襲をやめてくれそうにないとの直
感が、魁のいつもの迷いを払拭させていた──。
「ぎャは~~~ッ!!」
その絶叫を最後に、魔人モドキの頭が消し飛んだ──が、それは断末魔の叫びと
までは、やはりなってくれない。
パワーと勢いを残したまま雷球は 魔人モドキの後方へと弾け飛んでいってしま
ったため、魔人モドキは首のない状態で立ったまま。
それでも絶命していないことは、また両腕で、奇妙な動きを開始した事実から瞭
然ときている。
そのエググロい光景に、嫌な記憶が呼び起こされ、最悪の予感までも脳裏によぎ
る魁だった。
この魔人モドキもIAO、決して斃すことができない不死属性の存在という可能
性‥‥。
けれども、前にバトった相手と違い、明王斬りでも身躯を削ることができそう。
しばらくすれば、頭部だろうと元どおりに再生してしまうのかもしれない。けれ
ども、要は再生しきる前に削りきれれば、再生よりも時間のかかる復活へと、不死
のティア(階位)がシフトしてくれるはず。
そう考え、〈あれは魔とモドキが付こうが人じゃない、前に斬り約めた海や斬り
崩した天政堂も同じっ──〉とも思いなして、魁は明王斬りを振り立てる、何度も
何度も──。
魁の想念に応えて明王斬りの斬撃も、変わらず不可視ながら性質を変える。メガ
トンパンチ級の拳打から切れ味バツグンの冴刃へと。
よって、魔人モドキの残る体はブツ切り、さらには微塵切り状態となっていく。
それでも魁は明王斬りを振るのをやめない──もう細胞一つ一つを斬り裂いてし
まうイメージで、斬撃を一心不乱も遮二無二に浴びせ続ける。
そんなことが可能なのも、明王斬りのチカラを借りた魁が、我にもなくまた時間
の流れを超越しているからこそ。
しかし時が停止までしていない事実は、ミンチどころか、ほぼ霧状のシルエット
に等しい魔人モドキの姿が、とうとう完全に散り崩れきったことで判断がつく。
魁は最後の一振りとして、地面に残るこんもりとした砂山みたいな魔人モドキの
残骸を吹き払った。
これでおそらく、しばらくは安泰。何事だろうと迅速果敢なdooが、助けてく
れる余地も充分あり得る。




