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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
あ・ほーる・にゅー・わ~るど♪
20/31

002-01

 登校日には毎度、遅刻をギリもギリの、担任や副担任教師たちを教室の直前で追

いぬいて回避している魁なのだが、今朝は叔母さんが高校近くに用事があり、その

ついでに、クルマで送ってくれたため、進学以来初の教室一番乗りを果たすことに

なってしまった。


 通信・単位併合制クラスゆえ、来た順で好きな席に着いていいことにはなってい

るものの、魁は迷わず最前列の廊下側の席を占めると、早速(さっそく)机に突っ()して眠りな

おしに入る。


 今年度の担任教師は昨年度の担任教師と違い、扉を鳴らす勢いで開け閉めをるの

で、完全に寝入ってしまってもその音が目覚ましになってくれる上に、その席周辺

には、寝ている者を起こしてまで話しかけるような、厚かましい生徒も座らないと

見越しての選択。


 そもそも登校日どころか、年間の登校回数も自分で決められ、教室が満席になる

ほど、生徒が集中することなどありはしない。

 最前列ばかりか二列目までが空席のまま、ホームルームが開始されるのが常なの

で、スポーツタオルを巻いた枕に埋めた顔の感触が()じみだすと、魁は心置きなく

爆睡をカマしにかかる。


 ──ところがそこで生徒が一人、後ろの扉から教室に入って来た。

「おっはよ~!」と、元気溌剌(げんきはつらつ)挨拶(あいさつ)までするその声は、まぎれもなく女子。

 魁には当然それが誰かなどわからないし、わかろうという気からして更更(さらさら)ない。

 なので何のリアクションもせず、寝入り続けることに専念せんねんする魁だった。


 この高校の通信・単位併合制は一クラスのみで、二五三人が名を(つら)ねているが、

入学式から自由参加で、クラスの全員が一堂に(かい)したことはこれまでなかった。

 卒業まで一度も顔を合わせず(じま)いという可能性も決して低くなく、そもそも、生

徒同士の関係が親密になり難いことを第一に、入学を決めた魁なので、シカトした

女子の足音が、自分へ近づきつつあってもどうでもいい。


 それで(さげす)みだすような狭量な人物ならば、誰であろうが蔑み返すまでのこと。

 より一層、魁は寝落ちに向けて集中する。


 しかしながら、スグ横までやって来たその女子、なんと魁の左肩を逡巡なく(つか)

で、容赦ようしゃもなくすり始めた。


「もしも~し。ねぇねぇ起きてっ、蜷威クンだよねキミ? てか、起きた方がいい

ってば。今日は体育ばっかの一日なんでしょ、寝てたらスグに動けないよぉ」


 驚きもあって、魁は左目だけを開けた顔をヒネり上げ、机の上に伸ばし置いた左

腕越しに、その女子をめまわす。


 ――魁の記憶には全くない顔。

 今日は体育以外の実科目授業も受けるからか、私服通学であるにもかかわらず、

制服じみた服装。

 上履うわばきには妙なこだわりがあるらしく、魁でも知っているハイブランドのロゴが

金糸で刺繍されたエグい青色のスリッパを突っかけていた。


「‥‥どちらさん? 悪いけど、余計な世話をやかないでくれないかな」

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