001-11
「魁も、毎度のグズグズ文句の言い放しを始めるつもり?」
「フンッ‥‥」
「クダを巻くって言うオトナでも恥ずい行為よそれって~、しかも今回はワタシ批
判、ワタシが一体どうダメなわけ?」
「‥‥だから、守ったり助けてくれるなら、ボクにオトナの知識を小出しにするん
じゃなく、doodが実際にやって見せてよっ」
「実際にって、ガチで言っちゃっているのマジに?」
「そっ。ボクの前にリアルに出て来て全身で防御を手伝ってよ。そしたらdooの
コマンド選択で、攻撃できずに、逃げ廻らなくちゃならないボクの気持もわかるよ
絶対っ」
「‥‥イジワルねっ、魁もかなりの。できるなら、やっているに決まっているでし
ょ。そんなムリ言わないでよ、悲しくなっちゃうじゃないマジガチでぇ‥‥」
「ほらぁ、やっぱり口だけでズルいんだよdooは。それはやってみるまでわから
ないことで、失敗したってとり返しがつかないことじゃないのに――」
ここで魁はまた目を丸くする。
ふと、dooに言い聞かされていた言葉の一つを思いだしたためだった。
「またまた何よぉ? 自己洞察の連発による認知発達のジャンプなら嬉しいのに、
感情主導の未熟なメタ認知からの自己正当化は、ウザいだけなんだけど~」
「世界を変えるのは大変だけど、変えるにはまず自分を変えなくちゃダメとか、そ
れが一番手っとり早いとか言ってたよね?」
「そんなことを思い出しただけぇ? そうね~、言ったかも」
「なら、そんな画面の中や声だけじゃなくガンバってここに来てみてよ、そしたら
ボクの気持を変えるのも早いよきっと」
「‥‥モォ~知らないっ。そんなサイテ~なイジワルまで言いだした魁とは、これ
から今日一日、ずっ~と関わらないんだから絶対」
「出たよ口先だけ絶交。なんか久しぶりだけど」
「ちゃんと反省して、もうしませんって謝らなくちゃ、明日からだってわからない
わよ」
「フン。今日と言う今日はノってあげないよボクだって。マジガチに謝って反省す
るのはdooの方だっ」
「アラそぉ。じゃぁいいのね、このままワタシが消えちゃっても? ゲームの続き
をする相手が欲しくなって呼んでも、完全スルーなんだから」
「いいっ‥‥好きにしてよ。dooの言うとおりに自分を変えたって世界は変わん
ない」
「アラそぉ?」
「嫌なことは全然消えないで、変えてないトコを攻撃され続けてキリがない、自分
を変える意味なんかないよ、変えるだけボクがボクじゃなくなるだけだっ」
「チョット待ってよ。ワタシがしたのは〈ガンバっても世界が変わらないのは、ガ
ンバり方がその世界に通用していないから〉と言う話だったわっ」
「どうでもいいよ、そんなのはっ」
やけっぱちな反応の魁に、dooはこれ見よがしに溜め息を吐くだけでなく、や
りすぎムーヴ気味のお手上げポーズも加えて応酬。
「変えなくちゃダメなのは、あくまでも魁のやり方。まず一番に、〈どうやれば効
果的なのかをよく考える、それなら手っとり早くとりかかれるぅ〉でしょ?」
「そんなこまかいこと言っても、どうせ同じだよっ」
「どうして? 同じじゃないわ」
「よく考えてどうガンバったってボクはボク、ボクがボクなのは変えられない、や
るのがボクじゃ、変わってなんかくれないんだっ」




