001-10
「なんか、やっぱり不公平なんだよっ。ボクを公平にしようってdooは完全に不
公平してる」
「エーッ、そうかしらぁ?」
「それだってズルいし、陰で大人の知識を使いまくって、ガマンをし続けてるのも
卑怯な気がしちゃう」
「まったく。よく考えてよぉ、それの一体どこが不公平で卑怯なわけ?」
「‥‥そう知識じゃない、言葉じゃダメ、頭でわかってガマンしてても、自分をご
まかしてるだけなんだっ」
そう言い散らす魁に小首を傾げるdooだが、本当は眉も曇らせたいところ。
「‥‥なら魁は、ワタシに一体どうして欲しいと言うの?」
「dooにじゃなく、ボクはもっと、体も動かしまくってどうにかしたいんだっ」
「それもごまかしだわ。魁は鬱憤をスッキリ晴らすために、乱暴までワタシに許可
して欲しいだけでしょ」
「別にっ‥‥あぁそっか、許可とかいいんだホントは」
豁然大悟までしたかのごとき表情を見せる魁に、dooも用意していた返答を、
さらにAR(適応的推論)およびDTA(動的トーン調整)で、より最適化。
「そんなの卑怯もサイテ~よ、怒って許してくれないオトナたちに、ワタシが許可
したって、責任をなすりつけることができちゃうもん」
「そんなサイテ~なこと、考えてないよ全然っ」
「なすりつけてもかまわないけど、そんなサイテ~なこと魁にさせたくないの、絶
対ダメッ」
「‥‥ボクは乱暴したいんじゃない、ただ避けたり逃げたりするんじゃなく、全力
で動き廻ってどうにかしたいだけっ」
「矛盾ですり替えているのは魁じゃないの。どうやってできるわけ乱暴せずにぃ」
「とにかく、ボクがマジガチで激怒ると鬼ヤバいんだって、頭じゃわからない奴ら
の全身に思い知らせたいんだ。どうせならdooも、そのためのオトナの知識を教
えてよっ」
「だからぁ、そんなムズいこと魁にはまだ教えられないの。もう少し、心身ともに
成長してくれないと成功しないし、成長しても、魁は鬼ヤバく見えそうにないのよ
ね~」
「意味わかんないよっ」
「‥‥魁が全力で凄いパフォーマンスをすればするだけ、もっとやって見せて欲し
くするばかりで、逆にイジワルが増えると思うんだけど」
「どしてっ? ボクは生まれた時に歯が生えてて、立つのも早くてびっくりさせた
正真正銘の鬼子ってヤツなんだって、話したよね前に」
「ウン、聞いたけど、それが何?」
「それで名前に鬼が入ってるんだから、鬼に育っちゃってもいい鬼になりますよう
にって。そんなボクを上手に鬼ヤバく見せる方法くらい、教えてくれたっていいじ
ゃないかっ」
意表を突かれたようなフレームシフトでは対応しきれない魁の言い分に、コンテ
キストの再構築を迫られるdooだった。
「アラまビックリ。それってもはや詭弁家レヴェルじゃなぁい? 魁こそ、話をす
り替える天才だったのかも、鬼ヤバ~」
「卑怯だぞdoo、いつもいつも、最後にはムズい言葉と意味わからないこと言っ
てごまかすんだからっ」
「別にぃ? ワタシわかんな~い」
「そんなの、話をすり替えるより鬼ヤバなズルだよ、って言うか、結局dooは言
葉だけじゃないか、だからダメなんだっ」




