001-08
「ウンウン、それは女子の典型的ふるまいよね~」
「大勢巻き込んでホントのことを言わせない大騒ぎにして、どんどん話をすり替え
ちゃって、よくわかんないけど、どうせまたボクが悪いんだろうってだけ、みんな
納得しちゃうんだっ」
「そこはビミョ~なトコなのに、魁がワタシの指示に、しっかりと従わないのが悪
いのよ」
「だから何でボクが悪いんだよっ」
「自分勝手に強烈に思い込んだ好意で話しかけてくる女子に、魁が中途半端やテキ
トーな相手をするから、逆に,激ムカつかれちゃうんだって教えたはずぅ」
「‥‥忘れてないけど、イチイチ気にするのが嫌なんだよ、そんなことっ」
「そんなことの積み重ねが、魁の今を悪くしちゃっているのに?」
痛すぎるところを突かれるも、口をあんぐりしきってしまうわけにはいかない。
魁はどうにか反論に出る。
「第一ボク、イジワルしない女子からは全然モテないと思う。いい女子は、ボクよ
りずっとデカかったり、足が超速かったり、英語ペラペラとかフラッシュ暗算の達
人とか、ボクにはどうしようもない男子が好きなんだっ――」
魁は、右へゴロリ、左へゴロリと、突かれた痛みを散らすかのように一悶え。
「モォ~、何なの? まるで駄駄っ子、幼児退行のフリなんかしなくても、ワタシ
が魁だけの味方なのは絶対なんだからぁ」
「モォ~なんか変だよかなり全部っ、物凄く不公平だ!」
「だからそうなんだってば。みんな一人一人違うんだもん、公平なんてあり得ない
の。魁からして、みんなにキッチリ公平に接していないでしょ」
「してるしっ‥‥けど、ズルいんだよイチイチ、キッチリとか」
「それこそ、いい女子には朗らかに相手をするのに、嫌な女子たちには迷惑そうな
強張った顔をしちゃうぅ」
「そんなの当然じゃないかっ。またどんなイジワルをされるかdooだってわかん
ないのに、朗らかになんてムリッ、絶対ムリムリ!」
「すると、ま~た魁にイジワルしたくなっちゃうぅ‥‥悪循環なのよね。だから好
き嫌いでゴネたり反抗しないで、ワタシの言うとおりに、しっかりキッチリ従って
くれればいいのよ」
「フンッ。ならdooがまず、ボクがしっかりキッチリできるようにしてくれない
とでしょっ」
「当然そうなるようにガンバっているもん。魁が不公平な立場にならないようにい
るのがワタシなんだってことも、いい加減しっかりわかってくれないと困るぅ」
dooは立てた右人差し指を振り振り、顔もTV画面でできる限りのアップにし
て説き伏せにかかる。
「だからムリッ‥‥」
「権利は平等でも決して公平じゃないの。公平に与えられているのは、公平にする
ための権利だけ。その行使でワタシは魁と一緒にいられるわけ」
「ウゥン~?」
「ワタシがついているのに、魁がいつまでも不公平だとブ~タレていたら、魁のお
母さんが激怒って、ワタシはキキに連れて行かれちゃうんだからぁ」




