001-07
運動会のリレーでは、ほぼ横一線の接戦状態でアンカーの自分にまわってこよう
が、勝利を争う相手はタイム的にも問題ない。
だのに、受けとり動作も完璧なところを、あり得ない雑な手渡しのせいでバトン
が飛び、死に物狂いで拾ってゴールを二着できった時には、失敗の原因が自分にな
すりつけ終えられているという戦慄。
それも毎年、それこそ恒例行事化していると思えてならない実状‥‥。
グループやクラス単位の発表会で、肝心要の掲示用図表を、当日に忘れられたり
ダメにされたり、そのどうにもならない責任やら非難やらを、リーダーでなくても
リーダー属性の高さだけで、自分が毎度一身に浴びるというヤリきれなさ‥‥。
実際にあった事例を挙げればキリがない。そうしたモヤつきがムッカムッカと、
魁の全身を駆け巡っていく──。
「けどね魁、敵キャラたちだってツラいのよぉ。わかってあげなくちゃ、可哀想な
のよ魁よりもずう~っと」
「‥‥わけわかんないよっ、わかりたくもないしさ」
「だって、ガンバっても魁には何一つ勝てないと思い込んでいるのに、それを受け
容れられなくて。だから魁が勝ちそうな時や成功する直前で、イジワルせずにはい
られないぃ」
「だからわかんないよっ、そんなの!」
「自分を犠牲にしてまで、魁がさらに認めてもらえるのを阻止しているの、認めら
れていない自分だから犠牲にできちゃうのね。スパイト行動ってヤツ」
「奴らのそれって、何の勉強になるわけ? それにゲームでもサッカーでもバスケ
でも水泳でもダンスでも、ボクよりできる奴は結構いるよ、フツウの勉強ならガッ
コの学年だけでも四、五人いるはずだし全国テストなら何千人もだっ」
「子供の視野は、子供なほど狭いから~」
「どうせならもっとガンバって自分を犠牲にして、ボクより凄い奴らを全員阻止し
まくればいいのにっ」
その魁の問いにも即座に答を出しおおせているdooだが、ふさわしくないとの
判断も済ませて棄却。対応レヴェルは維持したまま、ベクトルのみの変更で返答を
始める。
「仕方がないわね‥‥それでは話しちゃうけど、総合評価だと魁はガッコで一番の
男子になるんじゃないかしら~。何より学年関係なく、女子からの人気は間違いな
く一番だもん」
「変なこと言い出すなdoo! そんなの、いきなり‥‥」
「ホントのことだもん。見た目だけで魁を好きになっている子がほとんどでしょう
けど、顔立ちや体つきの均整の良さだけは、先天的要因が大きすぎちゃって、みん
などうにもガンバりようがないじゃない?」
「そんなの、ボクだってどうしようもないよっ。‥‥それにイジワルしてくる女子
だって多いし、女子の方が最初からグループでズルいんだっ」




