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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第九十九話

マーチェは採掘を終えて戻ってきた技術者達のところに突撃した。


「お嬢ちゃんどうしたんだい?」


「どうしたんだい?じゃないわよ。貴方達ねぇ。資源を使いすぎなのよ」


「開発に犠牲はつきものだよ」


「そうだそうだ。それに領主様も認めてくださった」


そこを言われると俊としては痛い。


あまりの熱量に負けて認めてしまったのは俊だ。


「いいえ。私が来たからには諦めてもらうわ」


「そんなこと言われてもねぇ。この研究には価値があるんだ」


「価値ってねぇ・・・。どうみても必要のなさそうな装備があるんだけど」


「例えば?」


「ブラックホールエンジンなんて必要?」


「必要も必要さ。戦艦を動かすのにこれ以上、適したものはないよ」


「もっとスケールダウンしなさいよ。惑星を破壊できる主砲なんて使い道ないじゃない」


「いやいや。どんな相手でも一撃で倒せる火力は無駄じゃないだろう」


「ぐぬぬ。それこそシールド発生装置なんて欠陥だらけのシステムじゃない」


「ここで、ブラックホールエンジンが生きてくるのさ。作られた膨大なエネルギーをつぎ込むことでシールド発生装置の問題点であるエネルギーを補うのさ」


シールド発生装置は一部で研究、開発されているが実用化されていない。


その一番の問題はシールドを発生させる際に膨大なエネルギーを使うことだ。


普通のエンジン機関ではまず間違いなく運用できない。


「この戦艦でデータを取れば間違いなくシールド発生装置の開発は進む」


技術者達は全員頷いている。


マーチェは悔しそうに地団太を踏んでいる。


「まぁまぁ。落ち着いて」


「落ち着いてってねぇ。そもそも、貴方が許可を出したのがいけないんでしょうが」


怒りの矛先が俊に向かう。


そこに宇宙生物の死骸を回収に向かっていたアカネから連絡が入った。


「お疲れ様。何かあった?」


「あったというかなんというか・・・」


俊はアカネに状況を説明する。


「なるほどね・・・。でも、資源の問題なら私が到着したら解決よね?」


アカネは今回、大型輸送艦2艦を率いて宇宙生物の死骸を回収してきている。


その回収分は未計算だ。


「とにかく。貴方は偉そうにしてればいいのよ」


アカネは軽口でそう言ってくる。


俊は皇族の一員と言われてもまだ実感が薄い。


元々は地球で学生をしていたのだ。


そこに実はいくつもの星系を支配する皇族でしたと言われても困惑しかない。


やっていることは惑星開発とスケールが大きいのだが、指示を出せば他の人達がやってくれる。


父であるカールが補佐をしてくれているがいつまでもいてくれるわけではない。


まぁ、その為にマーチェが派遣されてきたのだろうが・・・。


最高責任者としてもっとしっかりしなければ・・・。

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