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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第九十一話

その後もアカネと模擬戦を繰り返すが俊は勝つことができなかった。


「う~ん。なんていうか俊って基本に忠実よね」


「危険な手を打つよりはいいと思うんだけど・・・」


「あぁ。勘違いしないでね。博打ばかり打たれるよりは全然いいから」


褒められているのか貶されているのか判断に迷うところである。


「マスター。接近する艦をレーダーが捉えました」


「こんなところに?」


「今、データを照会します」


俊とアカネはAIの照会を待つ。


「ハーリー星系冒険者組合所属艦スターホーネットを確認しました。他にも同行する艦が複数あります」


「オズマさんかぁ・・・。どうしたんだろう?」


そこに父であるカールが通信で割り込んでくる。


「あぁ。移民の第一陣じゃないかな」


「移民の?」


「ステーションがある程度形になってきたからね。実際に稼働させるには人が必要だろう?」


言われてみればその通りである。


今いる人員でステーションの設備を動かすのは無理がある。


しばらく待つとスターホーネットから通信が入る。


「ハーリー星系冒険者組合所属。スターホーネット艦長のオズマだ」


「こちら、明石艦長の俊です」


「久しぶりだな。お前らがいなくなってこっちは大忙しだぜ」


「そうなんですか?」


「お前らが居座ってたおかげで海賊共が大人しかったんだが、今は大暴れしてやがる」


「それはまた・・・。そんな忙しいオズマさんがなんでまた?」


「依頼主が依頼主だからな。断れなかったんだよ」


依頼主が誰かと言えば母であるアルシェントであった。


冒険者組合としても信頼のできる冒険者ということでオズマを指定したのだろう。


「誘導は必要ですか?」


「いや、ポイントはわかってるから大丈夫だ」


「お待ちしてます」


俊は各所に連絡して移民の受け入れ準備をする。


受け入れ準備は予め進められていたようで問題がなかった。


ステーションに移民を乗せた艦が横づけされ、次々に人が降りていく。


物資も色々持ってきたようでそれらもAIを操りながらスピーディーにステーションに運び込まれる。


「よし。依頼は完了だな」


「少しゆっくりしていきます?」


「いや。悪いが仕事が立て込んでてな。すぐに戻るよ」


オズマ達は作業が終わるとそのままハーリー星系に戻っていった。


俊はカールに呼び出されて各部署に人員を配置していく。


とはいえ、リスト化されておりその通りに配置をすればいいだけだ。


判断に困ったら父であるカールが補佐をしてくれる。


今後の運営を考えればこの機会に色々学ぶべきだろう。

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